日産自動車は韓国市場から撤退
結果的に、日本車の販売台数も激減した。韓国輸入自動車協会(KAIDA)によると、日本車の販売台数は、19年7月の2674台から、「ノージャパン」が始まった8月は1398台、9月には1103台へと月ごとに下落した。20年の日本車の販売台数は計2万564台で、19年の3万6661台と比べて44%も減っていた。
昨年12月には、日産自動車が韓国市場から撤退し、今年に入ってホンダコリアも自動車展示場1カ所とサービスセンター2カ所を閉鎖。年末にもサービスセンター1カ所を閉鎖する予定とのことで、これは撤退の兆しとも言われている。
文在寅政権にとって「ノージャパン」は、表向きは日本の措置への対抗だったが、約50%の支持率を維持するためにも恰好の材料だった。ただそれは、日本製品の購入や日本旅行を望む国民の権利を奪い、さらには日系企業はもちろん、日本関連のビジネスに従事していた韓国国民の仕事を犠牲にした上での運動だった。
日本車の売上が回復している
しかし、「ノージャパン」は、新型コロナウイルスが全世界に拡散した2020年、急激に縮小した。大型マートの陳列台にはキリンとサントリーのビールが再び並び、10月15日にはソウル市松坡区にあるロッテワールドモールのユニクロ売り場に、日本発のアウトドアブランド「ホワイトマウンテニアリング」とユニクロのコラボ商品を目当てに、約100人が開店前から長蛇の列を作って話題になった。
一時は売上が激減した日本車もまた、回復に向かっている。韓国輸入自動車協会の10月7日の発表によると、今年8月のホンダコリアの販売台数は500台を超え、9月にも513台を販売した。今年1月から9月までの累積販売台数は3045台で、前年同期と比べて47.3%も増えている。
他の日本車ブランドも販売台数が伸びている。レクサスの今年1-9月の累積販売台数は7472台で、前年同期と比べて29.9%増加。トヨタブランドも1-9月に前年同期比12.7%増の4811台を販売した。トヨタは今年に入って毎月400台以上の販売台数を維持しており、5-7月には月間600台以上の自動車を販売した。
今ではもう、繁華街でレクサスを壊されたり、日本車に乗っているという理由から車線変更を妨害されたりする心配もなく、日本車を購入できるようになった。さらには在外公館の職員も、日本車を愛用している。ここにきて、「ノージャパン」は説得力を失ったとみていいだろう。