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 重要なキーワードは地元の「四国新聞」だ。県下での普及率は約6割で圧倒的なシェアを誇る。この四国新聞の社長が平井卓也氏の弟なのだ。社主は母親だから平井一族のオーナー経営。

平井卓也 ©文藝春秋

 四国新聞はちょっと読んだだけでも「平井推し」の論調が多く、実際に平井陣営の事務所前にいた支持者に聞いたら「正直偏っているよ」とあっさり答えてくれたほどだ。

平井氏の「パレード」に潜入

 そんな圧倒的なメディア状況の中で平井氏はどのような選挙を繰り広げるのか。私は選挙選最終日の四国新聞に注目した。すると「30日は2カ所で演説会を行うほか、市中央商店街をパレードする」とあるではないか。

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 パ、パレード?

 これはぜひ見ておかなければいけない。商店街には四国のメディア王の姿を一目見ようと人々が駆けつけるはず。

 しかし。

 人が来ない。見事に寄ってこないのである。平井氏と黄色いジャンパーを着たスタッフ軍団の「大名行列」を遠巻きに見る人たち。果たしてこれがパレードなのか?

商店街で「パレード」を開催した“ワニ大臣”こと平井卓也 ©プチ鹿島
ラコステのTシャツを着て潜入 ©プチ鹿島

 平井氏のファミリー企業・四国新聞はかなり盛って書いていた。実際の現場を見たら激しすぎる落差を体感してしまったのである。

 そのあとライバル候補の小川淳也氏(立憲民主党)の演説を見に行くと市街地ではない場所なのに人だかり。平井氏は開票早々に小選挙区での落選が報じられた。

演説する小川淳也議員の周りにできた人だかり ©プチ鹿島

 さて今回の総選挙、最大の「敗者」は立憲民主党の枝野幸男代表ではなかったか。枝野氏は衆院選を「政権選択の大決戦」と言っていたが立憲の議席数はむしろ減った。

 私は先週、枝野氏がはっきりとした勝敗ラインを示さないと口では政権交代だ野党共闘だと言っていても本当は自分の党の議席が伸びるだけでシメシメと思われてしまうのでは? と書いた。