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ついに強化指定選手からも外れ…

 一躍世間は「浅田真央(31)の次は本田真凛」と騒いだ。その注目度はフィギュアスケートの世界にとどまらず、テレビ番組に引っ張りだこになり多くのCMにも登場。ドラマ「家政婦のミタ」で注目を集め芸能界でも広く活躍する望結(17)や、「真凜を超える可能性を秘める」と期待を集めた紗来(14)、兄でフィギュアスケートの選手でもある太一(23)らきょうだいと共にスターダムに祭り上げられた。

©️AFLO

 スケートの成績も順調に伸び、2018年の平昌オリンピックの代表は予選でのジャンプミスが響いて逃したものの、2017年以降はグランプリシリーズにも出場を続けていた。

2017年の世界ジュニアで銀メダルを獲得 ©文藝春秋

 ところが2020年に入ると、本田真凛を取り巻く状況はがらりと変わってしまった。日本スケート連盟の強化選手指定から外されたのだ。昨シーズンは開幕時期に右肩を脱臼して練習できない期間があったり、全日本選手権をめまいを起こした影響で棄権したりとアクシデント続き。その結果として強化選手から外れ、4年間続いていたグランプリシリーズの大会への出場もなくなった。

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ジャンプがどれほど上手でも…

 今シーズンは2022年の2月に北京オリンピックが控えているので、その影響の大きさは誰にでもわかる。12月の全日本選手権で上位に入ればオリンピックへの出場資格を得る可能性はあるが、ギリギリで全日本選手権出場を決めるような状況では現実的にはオリンピックはかなり難しいだろう。

「いや真凛がオリンピックに出る可能性が残ったことが嬉しいのもありますが、それだけじゃないんですよね」

2017年、ジュニアの頃から表現力は頭ひとつ抜けていた ©文藝春秋

 記者氏は言う。

「本田真凛のスケートを、大きな舞台で見たいじゃないですか。オリンピックでメダルを取るという期待をかけられていた頃とはずいぶん立ち位置も変わりました。でもフィギュアスケートって、点数を叩き出すためのジャンプとかだけじゃなくて表現としての側面もあるのが魅力なんです。ジャンプがどれほど上手でも見ていて『うーん』というプログラムはあるし、ジャンプは凡庸でも見ていたくなる選手はいる。厳密な点数や順位とは別のものさしがあって、それがほかの競技と少し違うところだと思うんですよ。真凛はその象徴的な選手で、彼女固有の魅せる力があるんです」

 確かに全日本選手権への出場をギリギリで争うような状況になっても、一挙手一投足がニュースになり、それを見つめるファンをこれほど多く抱える選手は彼女しかいない。