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 つまり、生活コストは急上昇していくことが避けられない中、円安に甘んじ、安いニッポンをなんとなく是としていくのが令和の日本なのである。

 年収の35%だ、25%以内だという基準があくまでも昭和平成の時代の延長線上にある生活を前提としていることにいまだ多くの日本人は気が付いていない。

さらに日本人を待ち受けている「増税」

 残念なことにこの四半世紀、日本人の一般世帯の年収はほとんど上昇していない。1人あたりのGDPも韓国に抜かれる事態に陥っているのが今の日本の実態だ。雇用は今後もどこまで保証されているのか、退職金は予定通りもらえるのか、年金はちゃんと支給されるのか、多くの人はなんとなく昭和平成の流れで自分たちの人生を夢想している。

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 この先、日本人にさらに待ち受けているのが増税だ。ばらまきに余念がないようにみえる現在の政府だが、コロナ禍での支援金をはじめ、これらのお金の支給のツケは、将来必ず増税として戻ってくる。所得税や地方税も引き上げラッシュになることは間違いないであろう。花咲爺さんは世の中にはいないのである。

©️iStock.com

 日本は物価が安いから生活がしやすい、などと嘯いているかもしれないが、コロナ後にやってくる日本の現実に多くの人が驚愕することになるだろう。そのとき、あなたの住宅ローンはどうなっているだろうか。あたりまえだが、ローン元本は返済していない限り、厳然と存在し、毎月あなたに返済を要求してくる。どんなに生活が苦しくなっても返済だ。会社の給料は上がっているだろうか。ダメなら売ればよい。これも昭和平成脳だ。今後、人口減少は勢いを増し、高齢化が進むにつれ、一部の投資用不動産を除いては、一般の住宅に対するニーズは急激に落ち込んでいくだろう。それでもあなたが借りた住宅ローンは毎月「返せ、返せ」の大合唱だ。

 住宅ローン破綻はコロナ禍のせいではないのだ。これから変わる日本社会の向こう側で口を開けてあなたを待っているのである。