YouTuberなどの活躍によって、ファン経済は市民権を得ました。「自分をフォローしてくれるファン」を手厚く歓迎してビジネスに繋げる部分など、我々美容師と共通しているところが沢山あります。
そして何より「辞めるから」と繋がりを絶たれて被害を被るのは、そのお客様です。「また一から探さなければならないのか」と、ステキな美容師さんとお別れして残念に思った経験がある方も少なくないはずです。
「営業時間」という時代錯誤
美容室に勤める美容師が仕事をする「営業時間」は、お店に駐在するように決められています。これは「営業時間 = 拘束時間」として会社からお給料を頂くためです。
そのため「営業時間はお店の仕事をしないといけない」という概念が根強く、様々な事情に対応しにくい働き方です。そして「小規模な美容室」であるほど、昨今の働き方改革は取り入れにくく、そこで働く美容師は副業や家事などに比重を置くことができません。
僕自身、「小規模の美容室」で働いていました。僕が執筆を始めたのは、社員として働きながら「もう一足の草鞋を得たい」と、働き方改革をする上での模索でした。
そのため、このお仕事をいただく以前から「仕事の手の空いた時間で執筆を進めたい」と社長と交渉を続けていました。ですが「営業時間はお店の仕事をしないといけない」という規則から、“特別待遇”を得ることはできませんでした(詳しい話はコチラから)。
とはいえ、フリーランスは不安定
僕自身はポジティブにフリーランスを選択しましたが、反面でフリーランスという選択肢“しかなかった”とも考えています。
フリーランスは社員の頃とは違い、経済的に不安定です。今後いつ未曾有のパンデミックや、甚大な自然災害が起きるかもわかりません。フリーランスは美容師のあるべき姿とも思えますが、様々な事情で踏み込めない美容師も多いはずです。
働き方の多様化は望ましいことですが、フリーランス美容師が増えることのデメリットも、いくつか予想されます。現場の美容師さんたちの不安を解消できるような仕組みが、少しずつでも出来上がっていくことを期待しています。