「人として最低なことをする人だなと思っています。反省しているように思えないので重い罰を与えてほしいです。(刑務所に入って欲しいかと聞かれて)できる限り長く行ってほしいです」
2021年11月8日、東京地裁第713法廷。そう語気を強めた女性の話をうつむきながら微動だにせず聞いているのは、リクルートコミュニケーションズ(現在はリクルートに吸収合併)の元社員・丸田憲司朗被告(31)だ。
丸田被告は2020年11月から2021年10月までの間に、準強制性交等、住居侵入、準強姦、準強制わいせつの罪で計10回の逮捕・起訴を受けている。事の発端は30代の知人女性に睡眠薬を飲ませ自宅に連れ込み、わいせつな行為をしたとして昨年11月12日に逮捕されたことだった。
目を覚ますと舌が真っ青に…
「丸田被告は2020年6月27日の夜に知人宅のホームパーティーで知り合った30代の女性に対し睡眠薬を飲ませたうえで、自宅に連れ込みわいせつな行為に及びました。翌日に女性が丸田被告の自宅で目を覚ました際、舌が真っ青になっており、体にも違和感を覚えたために被害届を提出。その後、女性の体内から睡眠薬の成分が検出され、丸田被告の逮捕につながりました」(全国紙社会部記者)
押収されたスマートフォンからは40人近くの女性がこん睡状態で映った動画や画像が見つかり、ほかにも被害者が多数いることが明らかになった。勾留中に余罪の捜査が進み、2020年12月に「OB訪問アプリ」を通じて知り合った就職活動中の女子学生に対して「資料作成を手伝う」と誘い出し暴行した件で再逮捕。
さらに2021年1月にも、別の就職活動中の女子学生に対して同様の犯行をした疑いが強まり3度目の逮捕。その後も10代から30代の女性に乱暴したとして2021年10月5日までに計10回逮捕されている。
「丸田被告の家宅捜索で、自宅から犯行に使用されたと思われる10種類の睡眠薬計700錠以上と、錠剤を砕くためのすり鉢などが押収されました。睡眠薬は自ら心療内科に通って『眠れない』と相談して処方されたもののようです。
押収されたスマートフォンから見つかった動画や画像の中には被害者の身分証明書も写されていました。中には性的な暴行を加えている女性の顔の横に身分証明書を置いて行為に及びながら撮影したと思われるものもありました」(捜査関係者)
次々と明らかになった事件からは、丸田被告の常習性と異常性が窺える。初公判は8月31日に東京地裁で行われた。その時の様子を前出の全国紙記者はこう語る。
「初公判では計3名の女性に対する加害行為について明らかにされましたが、丸田被告はぼそぼそと小声で話し、裁判長から『聞こえない』『もっと大きな声で』と叱責される場面もありました。丸田被告が取り調べに対して『睡眠薬を服用させるための実験を行っていた。薬理効果や、持続時間をある程度把握して使っていた』と説明していたことも明かされ、常習性や計画性があったことが法廷でも指摘されました」