“やりがい”の一方…問われる医療行為に対する責任
一方で、現状の制度には課題もある。2021年8月に名古屋市内の病院で開かれた、全国のNPたちによる発表会。
NPの男性:
自分たちも医療者として、どういう風に関わっていけるのかが非常に大事かなと考えています
その中で、議題の一つとして挙げられたのが、看護師が医療行為を行うことに対しての“責任”について。
NPの女性:
前は先生から言われたこと、何となく伝えていたこともあったんですね。NPになって自信を持って伝えられるようになったなと。ただ新たな課題が、たくさんの判断する責任をすごく重く感じるようになりました
これまでより関わることができる範囲が広がり、やりがいを感じる一方で、現場からは、「医師と看護師の中間」という立場にプレッシャーを感じるという声も上がっている。
制度上は、医療行為に対する責任は医師が持つことになっているが…
愛知県看護協会の三浦昌子会長:
やった行為の判断は医師にあるかもしれないけども、直接やった行為に関しては看護師に責任も当然ついてくるだろう。待遇とか危険が伴うことによる保障とかは、きちんと組織がやっていかないと…
NPにも医療行為に対する責任が問われることを考えれば、その分をきちんと金銭も含めた待遇改善が必要と、看護協会の三浦会長は訴える。
患者の前では「NP」か「医者」かは関係ない…もっと知識と技術を身に付けたい
NPは、協会や団体などが独自に認定している“認定資格”で“国家資格”ではない。働き方や資格を持つ看護師に対する手当は、現状それぞれの病院に委ねられているため、責任と対価のつり合いが取れているかなど検証が必要な点も残されている。
この日、NPの大久保さんは、医師らが参加する学会での発表に向けプレゼンの練習をしていた。
大久保麻衣さん:
自分が勉強したことをまとめたり発表したりというのは、やらなきゃいけないことではなく、至極当たり前のこと。綺麗事ではないですが、患者のため…
これまでよりも大きな責任を感じながらも、患者にとってこのNP制度は必ず助けになる。その思いで日々の業務にあたっている。
大久保麻衣さん:
「看護師だから」とか「NPだから」とか「医者だから」っていうのは患者の前では関係ない…。自分の出した指示が、ダイレクトに患者さんに影響する。看護師時代とは考え方を変えなくてはいけない…
「不安はもちろんあるが、もっと知識や技術を身に付け、医師の指導の下 安全にやっていきたい」。大久保さんはNPの仕事にやりがいを感じている。
(東海テレビ)