大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手(27)が、MVP(最優秀選手)に選ばれた。日本選手の受賞は、イチロー氏が受賞して以来、20年ぶり2人目の快挙だ。文春オンラインでは、7月に大谷選手がオールスターに初選出された時に、野球評論家の張本勲氏に大谷選手の躍進の秘密について聞いた。張本氏は大谷選手のバッティングを絶賛し、「今のままいけばホームランは45、46本はいくんじゃないか」と7月の時点で正確に今季の最終成績(46本)を予言していたのだった。今回、特別に当時の記事を再公開する(初公開日 2021年7月3日 年齢、肩書等は当時のまま)。
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「体力ある。技術ある。筋肉は柔らかい。足は速い。顔はいい。性格はいい。天は六物を与えたな。こんないい子はいないよ。俺はアメリカの野球は好きじゃないんだけど、大谷の活躍を楽しみに毎回観てるんだ。うれしくてしょうがない。大谷が日本ハムに5年間いたとき、俺は毎年キャンプで会えるのを楽しみにしていたのよ。俺もこんな息子がいたらいいなと思っていたから、4年前に彼がアメリカに行ったときは本当に不安だったけどね。これまでケガに苦しんだけど、オールスター出場は当然でしょう」
アメリカ・大リーグのエンゼルス大谷翔平選手(26)がア・リーグのDH部門ファン投票1位でオールスターに初選出された。オールスターは日本時間7月14日に行われ、日本人野手では、イチロー、松井秀喜、福留孝介に続いて4人目で、DHとしては初出場となる。大谷はオールスター前日(日本時間7月13日)に開催されるホームラン競争への出場も表明している。
あの“球界のご意見番”も「打者・大谷」に太鼓判
メジャー4年目となる今年は実力が開花し、これまで75試合(日本時間7月2日時点、以下同)に出場して、〈打率.277 打点63 盗塁11〉の好成績を残し、ホームランは28本と両リーグを通じてトップを走っている(※日本時間3日には29号、30号を二打席連続で記録)。連日のように野球ファンを魅了する“翔タイム”に、珍しく冒頭のように「うれしいねえ」と目尻を下げるのは、球界のご意見番で、3085本という日本プロ野球史上不滅の最多安打記録を持つ張本勲氏(81)だ。
日曜朝の「サンデーモーニング」(TBS系)のコーナー「週刊御意見番」などで、数々のアスリートの「あっぱれ!」な活躍も、「喝」を入れたくなるような体たらくも、歯に衣着せぬ物言いとともに見守ってきた張本氏。これまで大谷の二刀流に苦言を呈してきた張本氏は、打者よりも「投手・大谷」を評価してきた野球界OBの1人だ。だが「文春オンライン」特集班の取材に「ホームラン王も獲るかもわからんぞ」と打者・大谷の実力を認めたのだ。