「もしかしたらそれが子供同士だと…」
「狭い町なので、子どもたちも保育園児の頃から知ってる子ばかりです。小学校では生徒の数も少なかったので、グループに分かれるというよりは男女で分かれて遊んでいるという感じでした。
柚輝くんは下の学年の子の面倒を見たり、ハンディがある子にも分け隔てなく優しく接しているのを見かけたことがあります。リーダーシップもあって、学年の中でも目立つ、中心的な存在でした。子供会の行事とかにも積極的に参加していて、秋のお祭りで太鼓を叩いていたりしました。上と下に兄弟がいて、仲は良さそうでした。小学校の頃からやんちゃというか元気が良すぎるぐらいで、よく外を走り回っていましたよ」(同前)
事件当日の弥富市の教育委員会が開いた記者会見では、学校側が2人の間のトラブルを把握していなかったと説明している。しかし男子生徒は警察の捜査で「トラブルがあった」という趣旨の供述をしている。前出の同級生の保護者は、2人の関係について「もしかしたら」と話し出した。
「亡くなった柚輝くんは、同級生を仲間外れにしたりいじめるような子ではないと思います。ただお調子者の部分もあって、口調が少し強めだったり、大きい声で話すことは確かにありました。もしかしたらそれが、子供同士だと勘違いを生んだ可能性はあるのかもしれません」(前出・同級生親)
逮捕された男子生徒を知る近隣住民たちもショックを隠せない。
「逮捕された少年は7人の大家族で生活していました。兄が1人いて、両親、祖父母、さらに曾祖母という構成です。昔からこの地域に住んでいた一家で、父親は農業系の仕事をしています。4年前には自治会長も務めていた立派なお家ですよ。事件を起こした子は小さい頃から背が大きかったですが、大人しそうな子という印象です。今年のお正月には近所の神社にお参りに来ていて、大きくなったなと声をかけたら照れ臭そうに笑っていました。あんな普通の子がなんで……」
逮捕された男子生徒の祖父に声をかけると、憔悴しきった様子で苦しい胸の内を語った。
「私にとってはいい孫でした、節度ある優しい……本当に優しい子です。今回のことは、なんでこんなことになったのか全く想像がつかないんです。寡黙な子で、バレー部の試合で頑張ったことなんかは明るく話してましたけど、友人関係の話はそういえば全然聞いたことがありませんでした」