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お客様からのうれしい声がけ

――最後に質問です。石田社長がビジネスをやってきて一番うれしかったことは何ですか?

 僕ね、シルクのパジャマの頃から、お客さまのクレームにじかに向き合ってきたので、なんていうか、申し訳ないなあという気持ちが強いんです。だからコンサートが始まる前にステージの下でこんな挨拶をさせてもらった。「コンサートに来ていただいて、みなさんが感動して帰られることが、なによりも僕にとってうれしいことでございます。でも今日いらしたお客さまのなかに、僕の販売した商品を買って、納得できない、まあひどい、安かろう悪かろう、と思ってる方はたくさんいらっしゃるかもしれません。この場を借りまして謝らせてください、すみません」と話した。

 そうしたら、お客さまが「社長のところで買った商品いいわよ、いいわよ」って言ってくれた。誰も文句を言ってこないわけですよ。

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 たまたまかなと思って、その挨拶をしばしば繰り返していたら、こんな言葉までいただきました。「社長の商品はこの金額だから良いんだよ。私たちは高いものも欲しいけれど社長の商品を買って、それで十分なのよ。頑張って」と。本当にそれは、涙が出るほどうれしかったですね。

 だから僕、芸能の仕事にせよ通販の仕事にせよ、お客さまがよろこんでくれたらそれで満足なんです。お客さまに直接声をかけてもらったり、こちらからかけたり。仕事をしている中で自分にとって一番やりがいを感じる嬉しい瞬間です。これからも精力的に頑張ります。

(撮影:深野未季/文藝春秋)

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