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通販のテレビCMで自ら商品をアピール

――最近は通販のテレビCMで、石田社長を見ない日はありません。9月12日に放送された『週刊さんまとマツコ』(TBS系)でもゲストに呼ばれています。制作費をかけない独特のスタイルのCMに注目が集まりましたね。

 夢グループの新聞広告は朝日や読売などの大手新聞に掲載し、長らく出稿量は日本トップクラスだったと思います。僕は営業や交渉、店頭販売から、新聞広告のキャッチコピーまで、すべて自分でやる方針です。それで主な宣伝媒体を新聞からテレビに移行するときに、タレントを使うよりも、自分が商品を説明したほうが視聴者に伝わると考えたんですね。

 なぜかというとそれまで数々の失敗経験があったから。タレントを立てすぎて商品よりもそっちが目立ってしまい売り上げに結びつかないこともあったし、あとは広告代理店の都合に振り回されることもあり、そんなことに頭を抱えていました。最終的に経営者として責任を取らなくてはならないのならば、「石田です」と素性を明らかにして、「この商品は、ここがいいんです」と自分の口で訴えたかったんです。

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CM撮影も社内のスタジオで行っている

CMのパートナーは所属歌手の保科有里

――そうだったんですね。テレビCMでは御社所属の歌手、保科有里さんがパートナーをされています。先の番組では「もしかして愛人じゃないの?」と突っ込まれていましたが(笑)。

 勘弁してください、愛人じゃないです(笑)! 彼女はうちの所属タレントで給料制ですし、CMに出演してもらってもその分のギャラは込み。使い勝手がいいというか(笑)、しかもこちらのリクエストを嫌がることなく、いつも素直に聞いてくれて本当に助かっています。女性らしい優しい説明の仕方が、特にお年寄りのお客さまに支持されていますね。

 夢グループの所属歌手は往年のヒット曲を持っている歌手がメインでしたが、保科さんは作曲家の三木たかし先生から直々に依頼があり、所属になりました。彼女の代表作に『さくらの花よ 泣きなさい』という曲があります。このCDに収録されている三木先生バージョンを聴いた時に、心をゆさぶられたんです。それが決め手となり夢グループの所属になりました。所属して数年は普通に活動していましたが、ある時僕がマネージャーの名刺を持って、一緒に動き始めました。とある大物歌手からは「社長なのにやめてくれ」と言われましたが、売れていない歌手だからこそ社長の自分がやるべきだと感じました。そのためには顔と名前を覚えてもらわなきゃ。

 で、テレビCMは自社のスタジオで一緒に手作りするというわけなんです。構成や演出も僕がやります。大手通販のように莫大な予算はかけられないですし、扱っている商品は最新の高級な物ではありません。そりゃあお客さまに、「買ってくださいよ」とか「すごいよー」とか、ましてや「安く売ってあげる」とは言えない。いつも「安くしますので、買ってもらえますか」という気持ちなんです。