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——飛田には、中にはかなり高齢の女の子もいはるやん。でも、かんなみには高齢の女の子はおらん?

「昔、1人で店開けて、1人で(性的サービスのために2階の部屋へ)上がっての時代は、おばちゃんばっかりだったわけだよ、40代とか。熟女とか流行ってなかった時代においては、40代はおばちゃんやってんね。そういうおばちゃんしかおれへんかったんが、1軒にたまたま若い女の子入って、そこの店が流行ったから、私も私も……となって、若い女の子、置くようになって、お客さんも増えて。派手になってきたわけやんか」

——それが阪神淡路大震災の後。

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「そうそうそうそう。そのタイミングで」

——被災して経済的に困ったから、「働きたい」と女の子が集まって来たってこと?

「ちゃうちゃう、お客さんが増えてきたん。震災のあと、アマは水道とおっとったから、神戸からじゃんじゃかじゃんじゃか、お風呂屋さんに入りに来たんよ。そしたら、それまで知らんかった人がここ通って、こんなとこあるんやってなって、広まっていってん。同時に女の子も増え~の、お客さんも増え~の。で、めっちゃ盛り上がったわけよ。そこに警察が来たんよ、100人体制。派手になってきたら来るんよ、警察が」

かんなみ新地 

「昔は1日で女の子1人あたり20本近くいったなー」

——震災のとき、この建物は?

「大丈夫やってん。木造やけど、家財道具置いてないから軽すぎて倒れへんかったんちゃうの」

——100人体制の後、閉まったけど1年ほどで復活したって、さっき聞いたよね。

「そやで。閉まってる時、近辺で痴漢とかわいせつ事件増えたから、復活が黙認されたって聞いたけどな」

 ——近ごろは、若いお客さんが多かった?

「そやね。地元の子より、京都とか岡山の子が多いねえ。車で来るねえ。遊びがてら、わちゃわちゃ言うて来るんちゃう?」

——1日に何人くらい?

「昔は1日で女の子1人あたり20本近くいったなー。平日でも15本くらいあったかなー」

——それは昔?

「う、うん、ふふふ」

かんなみ新地 

——サービスの仕方、ママが教える?

「うん、教えるよ」

——そうなんや。

「もっとも、お客さんとの相性あるしね。飛田でもここでも私がお客さん選んでたほうやから。この人嫌やなと思ったお客さんと(2階に)上がっても、100パーセントのサービスできる自信がないので。初めから、『あの人は無理』って断るほうがええやん。そういう仕事の仕方してきたよ、私は」

——ママ、めっちゃ儲けてきたんやろね。なんで飛田からこっちに来たん?

「元々、ここの子やからや。『100人体制』あって閉じた時、しばらく飛田に出稼ぎに行っとってん。でも、私は若くて根性あったから、飛田12時に終わって、こっち来て、警察が帰った後、店開けとった。たまに通るお客さんおったから、それ引っ張って」