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飛田新地との違い「店より女の子が儲かるんやから」

——つまり、めっちゃ女の砦やったってこと?

「そうや。暴力団も昔から入ったらあかんてことになってるし。みかじめもない。暴力団はお客としては来とったけど、そんだけや」

——私、管理売春はあかん、搾取がなされてることが問題やと思ってきたけど、かんなみはママさんが自分で客を取っていた時代は明らかにそうでなかったということか。でも女の子を無理やり働かせたりってことは、やっぱりあったん?

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「そんなん、あるかいな。今日びの女の子は自分から進んで仕事に来る子ばっかりやんか。ホストに入れあげたいとか、そんな子ばっかりやん。店より、女の子の方が儲かるんやから」

——何割何割?

「ここは基本は四分六や。女の子の方がええねん。20分1万円。女の子6000円。飛田は20分1万1000円、30分1万6000円で、5−5−1(女の子5000円、店側5000円、遣り手1000円)やろ。こっち(かんなみ)の方が、女の子、率がいい」

かんなみ新地 

——飛田と交流あるんや。

「交流いうか、私は働いたことあるし。若いとき」

——そうなんや。青春通り?

「うん」

——飛田との違いは、女の子の取り分がいいことと、経営者がママってこと? 

「そやで。それでいけたんやんか。けど、いまの若い子、裸みたいなカッコするやん。それを1階の椅子に座らせるようになってしもた」

ワンルームの部屋を割り、どんどん部屋が小さくなった

——飛田は、上がり框に女の子がちょこんと座る。和風やけど、ここは洋風ってこと?

「そうそう。女の子5人おったら、5人ずらっと椅子に座るわけよ。そんな感じでやっとったん。うちは4部屋」

かんなみ新地 

——建物を外から見たら、室外機だらけやん。室外機の数だけ部屋あるってことやんね。

「いや、エアコン1台で2部屋使ってるとこもあるから、部屋の数のほうが多いよ」

——そっか、部屋は6畳とか4畳半とか?

「そんなんあるかいな。1畳やで。さっき言うたように、元々は経営者と女の子を兼ねて1人でやってたから、2階はワンルームだったんだよ。ところが、女の子を置くようになってから、ワンルームを割って、『布団さえ敷けたら』に小さくなったんよ」

——家賃は?

「いろいろ。一軒一軒家主さんが違うから、ややこしいんです。昔は、5万円とかやったけど。いま、ママやってるのは、私みたいに昔自分が女の子やったんが多いわけさ」

——そうかそうか。四分六と良心的なんは、ママさんたちが女の子のエラい労働を体で知ってるからなんかな。たとえば「働きたいんです」とやって来た女の子は選別する?

「いや、一応置いてあげるんちゃう」