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成長なき分配は「バラまき」にすぎない
このような栄一の理念を踏まえ、渋澤氏は「分配」が先走り、「成長」がなおざりにされている今の状況に警鐘を鳴らす。
「分配のほうが目に見えるので、多く求められがちですが、栄一は分配偏重に猛反対したはずです。分配とは、自分たちで努力すれば豊かになれる状況を作るために行われるものだ、と主張するでしょう」
栄一の理念に従えば、成長につながらない「分配」は「バラまき」にすぎないのだ。
渋澤氏が栄一について学び始めたのは今世紀の始め。自身が40歳を過ぎてからだという。
「栄一の理念を学んでいくと、今の時代にも通じるもの、いや今こそ必要ではないかという発見がたくさんありました。栄一の言葉は私にとって大きな財産になっています。しかも相続税はかからない(笑)」
今後、日本が目指すべき道は何か。そのヒントは「今日よりも良い明日」を目指して社会を大きく動かした渋沢栄一の生き方や理念にある。
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渋澤健氏へのインタビューの全文は、月刊「文藝春秋」1月号(12月10日発売)と「文藝春秋 電子版」に掲載されている。
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新しい資本主義と渋沢栄一