3局目は西山さんと加藤さんのリーダー対決となった。
ここまで全勝していた西山さんがここで負けた。
それを見た恵梨子ちゃんがなぜか泣いている。今大会ではすっかり泣きキャラになっている。それを見て私が笑っているので、たぶん丁度いいのだろう。
まさかこんな形で最終局を指すとは
7局を終えて3-4。また崖っぷちに追い込まれた。どうしてだか、いつも私たちは逆境で戦っている。
準決勝と同じ条件で、今回は先に西山さんが出た。たくさん話し合って決めた。
この日の西山さんは、決して調子が良いとは言えなかったと思う。しかし、この8回戦は突風が吹いたような将棋で、相手の香川さんを吹き飛ばした。強い気持ちで繋いでくれた、その意志を、将棋から感じた。
1→2局目を指してから何時間が経っただろうか。まさかこんな形で最終局を指すとは思っていなかった。
気合や、背負うものがあるが、相手の加藤さんも同じである。後悔ないように、と思い、対局室へ向かった。
最終局は凡局だった。
熱戦にも出来なかったのが残念だが、この弱さも自分なのだと受け入れるしかない。
勝った時も負けた時も、毎局インタビューを受ける。ずっとインタビューを撮ってくれたスタッフの方が、少し涙目に見えた。それが何だか嬉しかった。
「次は西山さんと、戦いたい」
エンディングで藤井九段が「青春だった」と言っていた。チーム結成から解散まで、わずか2カ月程の短い時間だったが、私たちはかけがえのない時間を過ごしたのだ。
収録後の控え室でサインを書きながら、もし次回、同じ形でトーナメントが開催されたら、私は選ばなくていいと、西山さんに話した。
力強いイメージだったリーダーは、とても細やかで優しい人だと知った。「次は西山さんと、戦いたい」と言うと、「ありがとうございます」と笑顔で返してくれた。
ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました!
(肩書・段位は、すべて放送当時のものです)