西山さんは、とにかく指し手が早い。3局目は序盤早々に襲い掛かり、押し切った。
ただ一方で、相手の里見咲紀さんもうまく辛抱していて、この大会に向けて相当に準備してきたのだと感じさせられる将棋だった。
6局目が終わった段階のスコアは2-4。5勝でチームの勝ちが決まるため、もう後がない。チーム西山が勝つためには3連勝が必要になった。
西山さんが7局目に勝ち、3-4。
「今日は調子が悪い」なんて関係なく
8・9局目を迎えるにあたって、オーダー決めが大勝負となった。西山さんと私のどちらが出るか。相手チームの残りのカードは里見姉妹が1回ずつ。みんなで悩みに悩んだ末に、私が8局目に出ることにした。
発表された対戦相手は里見咲紀女流初段。
それと同時に、私が勝てば最終局はリーダー対決になることが確定した。「今日は調子が悪い」なんて関係なく、負けるわけにはいかない。
1局目と同じ戦型を選んだが、中盤で少し模様が悪くなりそうな気配がした。そこでジッと耐えることが出来たのは、西山さんに繋ぎたいという強い気持ちが作用したのだと思えてならない。
みんなで繋いだ9局目。
この将棋はまだ見ていない人も、ぜひ見てほしい。素晴らしい以外の表現が出てこない様な劇的な将棋で、私たちのリーダーはチームの勝利を掴みとった。
連投は、集中力を切らさずに対局に臨める
大変な戦いが続いたが、いよいよ決勝戦までやってきた。
相手は加藤桃子女流三段率いる、チーム加藤。平均値が高く、事前に予想した優勝候補の1つである。
前日に電話会議で大体のオーダーの流れを決めていて、1局目は私が出た。相手は香川愛生女流四段。早見えの実力者で、作戦には随分と悩んだ。結果、夫と練習で1局だけ指したことがある、抑え込みの将棋を選んだ。比較的良い内容で1局目を勝てた。準決勝の時と比べると、しっかりと読んで指せている。
「勝てば連投」が前日の予定であり、2局目の野原未蘭女流初段にも勝つことが出来た。予定の連投は集中力を切らさずに対局に臨めるので、作戦として優秀かもしれない。