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厚労省は事実上の取材拒否、成田空港検疫所は…

 オミクロン株に対する水際対策の杜撰さについて、検疫行政を司る厚労省医薬・生活衛生局にコメントを求めたが、「現在は多忙を極めており取材対応不能。いつ対応できるかも不明」と、事実上の取材拒否となった。

 代わって、成田空港検疫所に取材を申し込んだところ、同所広報担当者は帰国者が強いられる負担について下記のように回答した。

「帰国から待機施設へのご案内にまで、11時間もかかったというのは普通ではない。その方に何かしらの問題があったのではと思ってしまいますね…。今回のオミクロン株への対応のため、当検疫所では正規の職員を上回る人数の臨時スタッフを動員しており、帰国者の方々のご負担を最小限に抑えるべく努力している」

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待ち疲れて椅子で眠る乗客の姿も… 乗客提供

「あくまで帰国者の方々のモラルを信じて判断するしかない」

 また、“検疫逃れ”の問題についてはこう話す。

「パスポートの出入国スタンプをチェックするのは入国管理局の仕事であって、本来は我々の役割ではない。我々はあくまでも帰国者の方々のモラルを信じ、自己申告された内容に従って停留対象となるか否かを判断するしかない」

 こうした「性善説」はこれまでも日本のコロナ対策の根幹となってきた。

 だが、これほど抜け穴だらけでは、水際対策としての意味を成さないのではないだろうか? 政府の「仕事をしている」感の演出のためだけに、大多数の正直者に犠牲を払わせることはやめてもらいたいものだ。

 岸田政権が打ち出した“強固な水際対策”。その実態は「見掛け倒し」というのが現実のようだ。このままでは、オミクロン株の脅威が市中に広がる日もそう遠くはないのかもしれない。