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トライアウトの位置づけに球団やNPBも苦慮
実際、不参加だった前楽天の藤田一也選手は9日にDeNAが、前ロッテの大嶺祐太投手は13日に中日がそれぞれ獲得を発表した。
気温9度の寒さの中、参加した選手は「密閉されたドーム球場じゃないと力が発揮できない」「実戦から2カ月近く空いた中での一発勝負は辛すぎる」と口々にこぼしていたという。
「昔と違い、各球団とも育成選手を多く抱えて編成計画を立てるようになった。そこからもこぼれる選手によるトライアウトは、もはや形骸化の一途を辿っています。近年は家族や恩師を呼び寄せ、最後にユニフォーム姿を披露する“引退セレモニー”の要素が強くなっていますね」(同前)
興行ではないトライアウトの今後の位置づけに、球団やNPBも苦慮している。
「開催は12球団の持ち回り制で、スタッフの手配や警備費、球場使用料などの経費は全て担当球団の持ち出し。以前は観客も入れたため『経費がかかって仕方がない』と嘆く球団幹部もいた。選手会側からの要望で2001年から続いているが、NPBの内部からは『もはや役割を終えた。いつ止めてもいい』という声が上がっています」(同前)
トライアウト自体にも“引退”が近づいている。