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《神田沙也加さん追悼》「親になるのはすごく怖い」“日本一有名な赤ちゃん”が“オファーの絶えない俳優”へ至るまでの「母親との確執と和解」「舞台人としての努力」

《神田沙也加さん追悼》「親になるのはすごく怖い」“日本一有名な赤ちゃん”が“オファーの絶えない俳優”へ至るまでの「母親との確執と和解」「舞台人としての努力」

2021/12/20

genre : ニュース, 芸能

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 2006年から、本格的に芸能活動を再開。SAYAKAから「神田沙也加」とし、舞台やドラマ、そして大好きな歌にと活躍した。舞台復帰作となったのは大地真央主演の「紫式部ものがたり」(06年12月)だ。大地さんは沙也加さんが「第二の母」と慕う相手だ。

「紫式部ものがたり」に出演した神田さん

努力の末に行きついた「オファーの絶えない役者」

「『ミュージカルに向いているわよ』と背中を押してくれたのは大地さんだった。歌手活動もいいけれど、その発声の素晴らしさや、顔のつくりからくる表情の豊かさが舞台向きだと応援してくれたそうです。その言葉に勇気をえて、彼女は日本のミュージカル界を代表する作品にどんどんチャレンジしオファーの絶えない役者になった」(前出・芸能リポーター)

 2014年に大旋風を起こした「アナと雪の女王」のアナ役吹き替えでは、その歌唱力に太鼓判を押され、紅白歌合戦にも出演した。

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 その間、一種の職場恋愛のようなものだが、共演者である有名舞台俳優たちとの恋愛が続いた。そしてついに2017年、ゴールインを果たしたお相手は俳優・村田充(44)。2016年夏の舞台、「ダンガンロンパ THE STAGE 2016」での共演をきっかけに交際を始めたのだ。

「彼女の人生で繰り返してきたのは、母親との確執と和解。喧嘩して口も利かない時期と、まるで双子のような仲良しの時期があった。この結婚のときには、父・神田正輝だけがハワイ挙式に出た。さらに村田さんと沙也加さんの笑顔のスリーショットでSNSに登場したり、会見に応じたりもしました」

2007年、母娘でイベント「ティファニー・セレブレーション」に出席

 結婚後、体調不良もあった村田さんは、自分の仕事を控えめにして舞台に邁進する沙也加さんのフォローをしていた。「レ・ミゼラブル」や「ピーターパン」などの舞台で大きな評価をえて、結婚の年に日本初上演となった「キューティ・ブロンド」の主演で、彼女はついに名誉ある「菊田一夫演劇賞」を受賞した。

「大好きな道に、少しだけ自信を持てた」

 翌2018年春の授賞式で、沙也加さんは涙まじりにこう受賞の言葉を述べていた。

「やっと誰から決められたわけでもない自分で選んだ大好きな道に、少しだけ自信を持てるような気がしています。少しだけ誇ることができるような気がしています。これからたずさわる作品に、より誠心誠意向き合うことで、恩返しをしていきたいと思います。長く役者でいられたらと願わずにはいられません」

 松田聖子の娘としてではなく、ひとりの舞台人としての努力と、結果身についた実力が認められた瞬間だった。

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