「私の彼も!」偶然出会ったB子さんが…
「ボランティア団体の方から『もう1人女性が来るので、その方と待ち合わせて合流してください』と、B子という女性の連絡先を教えてもらいました。駅で会ったB子は小柄で目の大きい女性で私とは違う可愛らしいタイプでしたが、同年代ということもあってすぐに打ち解けました」
A子さんとB子さんはボランティア活動中、保護犬の散歩を担当していた。2人と一緒に散歩をしていた少女に保護犬たちが懐くことで盛り上がり、「坂上忍さんの動物バラエティ『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)に応募したらいいんじゃない?」と冗談を言い合っていた。
しかし、次のB子さんの一言から、徐々に雲行きが怪しくなっていく。
「B子が『私の彼、テレビの制作会社を経営してるから話してみようかな~!』と言ったのです。東京で制作会社を経営している男性はそんなに多くないでしょうから、もしかしたらXと知り合いかもしれないと思い、『え~! 私の彼も制作会社やってる! 何を作ってる人なの?』という話になりました。そこから聞けば聞くほど条件が似すぎていて徐々に不安になってきて、家の場所を聞いたらB子は『赤坂だよ!』って……」
B子の交際相手がX氏であることを直観したA子さんは恐る恐る「もしかして……その彼、クォーター?」と聞いた。
40歳のB子さんもX氏と「子づくり」していた
「その頃にはB子も察していて、初めは答えたくなさそうでしたが、『そうだよ。え、まさか……』と。そうしたら名前も一致して、写真を見せあったら完全に同一人物。しかもA子も『横浜で犬のボランティア活動に行ってくる』と彼に伝えて家を出てきていました。たまたまボランティアで会った私とB子は、なんと同じ男性と付き合っていたのです」
A子さんとB子さんがお互いの情報を共有すると、徐々に“全容”が見えてきた。
「B子は私の5カ月後にXと出会い、交際を始めたそうです。B子も当時40歳になったばかりで、『子供ができたら産む』という前提で彼と子づくりしていました。少なくとも4カ月間は完全に交際期間が重なっていて、同時期にセックスもしていた。結婚を本気で考えていた私は、目の前が真っ暗になりました」(A子さん)
怒るA子さんに「もっと大人の女性かと思ったよ」
B子さんと会った日に、A子さんはX氏に怒りを込めた長文のLINEを送信し、別れる意思を伝えた。
「向こうの二股のはずなのに、Xの返信は『勢いに任せて罵詈雑言を羅列する姿に驚いています』、『もっと大人の女性かと思ったよ』というもので、一切謝る気配はありませんでした。結婚を喜んでくれた母になんと伝えようか考えてしまい、涙が止まらなかったです。それに、40歳近くにもなって騙されてしまった自分が恥ずかしくて仕方なかった……」
結局、A子さんもB子さんもX氏とは破局することになる。2人とも大きな精神的打撃を受けて眠れない日々が続いたが、お互いの近況を報告したりX氏への恨みを電話で話すうちに、“同志”のような友情が芽生えつつあった。
また、交際中のことを話し合う中で、X氏の非常識な“省エネ交際術”も浮かび上がってきた。