「こんなに大騒ぎになるとは、ね」
卓球取材の長い記者はそうつぶやいた。福原愛をめぐるニュースについてだった。
2月28日に福原が「この数日間ずっと週刊誌の方につけられて気が滅入りそう……」とツイッターで不安感を吐露した時、ファンは福原に同情し、メディアへの怒りを表明していた。
しかし3月3日にNEWSポストセブンが「福原愛に不倫報道!夫と子供を台湾に残して横浜『「お泊りデート』撮」と題した記事をアップ。横浜の中華街などで若い男性と3日間にわたって親密に過ごす姿が膨大な写真とともに詳細に記された内容に、ファンの空気も一転し、福原はバッシングに晒された。その反響の大きさを福原は無視できず、不倫を否定する直筆の謝罪メッセージを発表した。
ワイドショーも“福原不倫騒動”で一色になり、6~7歳の福原をテレビ番組で“泣かせて”スターダムを駆けのぼるきっかけを作った明石家さんまも、自身の番組で「うそであってほしい」というニュアンスの発言をした。今後裁判になった場合、どのような点が焦点になるかを弁護士が解説する記事まで表れた。SNS上でも批判の声があふれた。
「怒り」と「ショック」の割合
ただ同じ不倫騒動でも瀬戸大也や芸能人のケースと違うのは、福原に向けられる感情の割合として「怒り」と同じくらい「ショック」の割合が大きかったことだ。まさか、信じたくない、という声はその表れだろう。
幼稚園に通う年齢の頃からテレビで注目され、「泣き虫愛ちゃん」として国民の孫ポジションにおさまった彼女の成長と努力を多くの人が見守ってきた。オリンピックでメダルを獲得し、華やかな国際結婚をして、めでたしめでたしという感覚。それが裏切られた、という反応だったのだ。しかし、福原をよく知る人間にしてみれば、その感覚自体が作られたものだったという。