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「処女童貞率低下」「OLのお見合い経験47.5%」だったが…『ふたりエッチ』連載25年から見えてきた“性事情の変化”

克・亜樹さんインタビュー #1

2021/12/30
note

性愛に関する情報をいつも収集

――性のうんちくに加え、性意識や恋愛観に関するデータを新聞、雑誌から引用したり、性風俗の情報を取り入れたりしている点も特色です。やはり先生は、性愛に関する情報に対しては常にアンテナを?

克・亜樹 張ってますね。参考になりそうな本を見つけて買ったり、新聞の記事を精査して切り抜いたりしています。ハウツー要素を入れたいと言い出したのは僕なので、基本的に僕がやることになってます(笑)。それでも編集さんが、「こんなのあった」なんてネタを提供してくれることもありますが。まぁ、みんなで協力してやったりする部分はありますね。

©克・亜樹/白泉社

 ネットでも流行を拾ってますけど、作品に取り入れるのは人から聞いた話のほうが多いですね。「これは!」というネタをネットで見つけたら、関連書籍をAmazonとかで買って読み込みます。だから、漫画を描く時間以外は読書ばっかりしているんです。

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 新聞は、僕が毎日、朝日、スポーツ紙、アシスタントが読売を取っているので、手分けしてチェックしてます。量も量だから、作業的には大変で。

――こうした情報はアンテナを張っておけば、拾いやすいものでしょうか?

克・亜樹 時代によって波がありますね。連載が始まった1997年あたりは、HIVが社会問題化していたこともあって、世の中的にも性教育を一歩前に進めようという動きがあった。だから、性に関する真摯な情報もいっぱい出ていたし、いろんな統計もありました。でも、「それはやりすぎだろう」というムードが生まれて、下火になってしまった。連載を始めてから5、6年あたりは、まさに冬の時代。さらに漫画もふくめて、表現に対する規制が厳しくなった時期で苦労しましたね。

©克・亜樹/白泉社

 ちょっと前までは新聞も性に関するテーマを扱わなくなっていたけど、最近はジェンダーに対する意識も高くなってます。そういう風潮もあって、性教育に前向きな姿勢が徐々に戻ってきているとは思うんですけど。