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童貞を殺すセーターも即採用

――たしかに“童貞を殺すセーター”も、作中にすぐ取り入れていましたね。旬のエロネタは取りこぼさないといいますか。

克・亜樹 読者の方たちが何に興味があって、何を知りたいかというのを、意識して描いてますからね。さらに漫画のキャラクターたちも作品のなかで生きてますから、新しい情報に適した物語を紡いでいかないとダメだなとは思ってます。

 そういうニーズやトレンドは、Twitterからどんどん出てくるし、反応も早いですよね。そこに関しては、連載開始の頃を考えたら隔世の感を禁じえないというか。

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――ここ数年は、台湾のラブホテル事情やマカオの性風俗であるサウナ(桑拿)なども紹介されます。詳細かつ生々しく描かれているのですが、克先生が実際に取材されているのでしょうか?

「命と性ミュージアム」なども紹介 ©克・亜樹/白泉社

克・亜樹 マカオは編集部に「行きましょう」と言われて、僕も一緒に行きました。風俗などの取材に関しては、ほぼ僕も体験しています。「なんだよ、体験しないで描いてるのかよ」と思われるって、作品としても作者としても辛いんですよね。きちんと体験しなければ、それは取材じゃなくて見学だろうと自分でも思っちゃいますから。

 僕が体験しない場合は、編集さんかアシスタントに行ってもらって詳細なレポートを書いてもらってます。ラブドールを相手にする風俗は、アシスタントに行ってもらいました。「行ってくれる?」と言ったら「行ってきます!」って。帰ってきたら「ラブドールがボロボロでかわいそうになって、なにもできませんでした」って話していました(笑)。

性愛は恥ずかしいことじゃない

――ちゃんと取材費が出るのか、気になってしかたがないです。

克・亜樹 出てます。編集部の方が仕切る場合は、あちらが手配からなにからすべてやってくれますし。たまに、「あれ、僕が出してないか?」という時もありますが(笑)。

――海外の風俗紹介は、今後も続けていくおつもりですか?

克・亜樹 取り上げたいものは、あるんですけれどね。でも、当然ですけど、海外取材は遠いから。たとえばドイツだったら、あちらは赤線地帯がありますから、しっかりと取材をして「ドイツではこうだよ。日本ではこうだけど、どっちがいいと思う?」という感じのエピソードを提供できるとは思います。そう思うけど、ドイツとなると台湾やマカオとは比べ物にならないほど時間もお金も掛かっちゃいますから。