――三軒茶屋や野方にDJ社長やメンバーが知らない部屋を借りた形跡が帳簿に3件あった、という話も出ていました。
H氏 スタジオとか、私が東京に行ったときに泊まる用の宿舎ですよ。自分で言うのも変ですが、自分で買った家が神戸にあるので会社の金で個人的に部屋を借りようとは考えたこともありません。
「彼の切り取り方が極端なんですよ」
――DJ社長とH氏の認識の相違といえば、H氏が株式譲渡の条件として、退職金4800万円のほかにも著作権や印税の権利を全て要求した、という点もあります。
H氏 これは彼の切り取り方が極端なんですよ。僕は100万円で株を売る約束をした覚えがないのでそれを前提にお話ししますと、確かに、退職金4800万円と著作権等を求めた文書は先方に送りました。でもそれは権利を一切合切私にくれ、という話ではなく、退職金のほかに、株式を手放す対価をどのようにして支払うか、という提案の中で出たひとつの案に過ぎないんです。
――権利の全てをもらえないなら株は売らない、という主張ではないということですか。
H氏 持病もあって手術を繰り返していたので、引退しようとは何度も考えていたんですよ。でも引退するにしても、一括払いで対価を求めたらそれこそ億単位の金額になるし、翌日から会社の運転資金がなくなってしまう。分割払いの案として、権利をもらうのはどうだろうかと提案したんです。
――楽曲はアーティストが全て制作していたので、DJ社長さんがその提案を飲むとは考えられないのではないでしょうか。
H氏 確かに、突っぱねられましたよ。「自分も権利が欲しい」と言われました。なので何度も話し合いをして、権利に詳しい専門家にも参加してもらおうと相談して、一番良い折衷案を探していたんです。そんな折、突然、木元くんから横領や背任を指摘する内容証明が届いたんですよ。こっちは身内のもめ事だと思っていたから、驚きました。
――現在係争中と伺っています。
H氏 世間では誤解されていますが、木元君サイドから訴えを起こされている裁判はありません。全てこちら側から起こしている訴訟です。
「解散ライブは寝耳に水でした」
――何について争っているのでしょうか。
H氏 あまり詳しくは言えませんが、昨年12月に福岡で開催された解散ライブの売上についてですね。弁護士同士で話し合いをしていた昨年夏頃から、彼らは第三者を主催者にして勝手に解散ライブを計画していたんです。利益は一切Life Groupには入らないようにして。運営資金としてクラウドファンディングで2億円も調達していました。私たちは一切それを知らないまま10月に代表取締役を解任したら、直後に「解散ライブやるんで」って言ってきたんです。寝耳に水でした。
――アーティストによる反乱が起きた、と。
H氏 そうですよ。そもそも私と木元君は共同代表なのだから、解散についても話し合って決めるべき。アーティストを抱える事務所として一番大事なライブの売上が一切事務所に入らないなんていう状態は起きてはなりません。弁護士を交えた話し合いで、平和的解決ができない状態になっていたのは否めませんが、それとこれとは別問題です。