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天童よしみの出番ではジャニーズの少年忍者が“腹筋太鼓”を披露

 五木の去った今年、演歌勢は石川さゆり、天童よしみ、坂本冬美、水森かおり、氷川きよし、山内惠介、三山ひろしの7名しかいない。『天城越え』の情感溢れる表情でインパクトを残している石川は2018年に布袋寅泰とコラボしたが、過去5年のうち4年は1人で舞台を飾っている。いまや“紅組の顔”となっており、しばらく安泰と思われる。

 だが、石川の次に出場回数の多い坂本、天童はウカウカしていられない状況かもしれない。坂本は2016年にはバックダンサーに菅原小春、2017年にはHey! Say! JUMP、三浦大知、DJ KOO、サンシャイン池崎など多数の応援を受け、2019年にはKing & Princeの岸優太、神宮寺勇太、永瀬廉が和太鼓を叩く中で歌った。

 天童は一昨年に桑田真澄の息子であるMattが後ろでピアノを奏で、コロナ禍でバックアップ体制が大幅に減少した昨年でさえジャニーズの少年忍者が“腹筋太鼓”を披露しており、6年連続で後方支援を受けている。

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 三山のけん玉は紅白の新たな目玉となり、歌手別視聴率ベストテンでは2018年に10位に入った。“けん玉効果”は確実に現れている。ただ、いつ飽きられるかわからない不安は付きまとうだろう。

三山ひろしのけん玉コラボは新たな「紅白の名物」に(NHK 2019年「紅白歌合戦」)

細川たかし「6年ぶりに特別枠で復帰」。演歌勢の復活はあるか?

 劣勢に立たされている演歌勢だが、今年の紅白では細川たかしが6年ぶりに特別枠で復帰するというニュースが飛び込んできた。私は演歌に馴染みのある世代ではないが、大晦日は五木のこぶしに酔い、細川の明るい歌声で全てを忘れ、森進一の絶唱に唸りたい。石川さゆりの『天城越え』のラスト同様、森の『おふくろさん』のサビに向かう辺りの表情にはチャンネルを替えさせない破壊力がある。北島三郎の『まつり』は除夜の鐘のようなものだ。

 いずれまた、彼らが復活する紅白も見てみたい。