昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

この番組の「やらせ演出」は度を越している

 今回の特番のためのロケが開始される直前の11月中旬、「文春オンライン」に1通のメッセージが寄せられた。それは、『冒険少年』の“過剰演出”に嫌気がさし、これまでの過酷なロケで疲弊しきったという、ある「現場スタッフを名乗る人物」からのSOSだった。以下はその主要部分の抜粋である。

《番組制作において、ある程度の「やらせ演出」はつきものですが、この番組は度を越しています。番組の目玉企画「脱出島」は、ゲストがリュック1つで無人島に行き、自力で脱出を試みるものですが、実情は酷いものです。

 船づくり、無人島にあるもので、ゲストが自力で制作しているように撮影していますが、実際はスタッフが材料を無人島に持ち込み・数日前から作成しています。撮影用に一部分だけ演者がとりつけたりして、実際に作っているように見せかけていますが、サバイバル専門家がメインで作成しています。

11月に行われた新春SP用のロケで島をイカダで出港するあばれる君 ©文藝春秋 撮影:細田忠

(略)いかだで無人島を脱出するには無理があります。実際はある程度までとれたら、船でロープで引っ張って牽引しています(実際に脱出できた例もあります)。演者のスケジュールの関係などで、十分な撮影時間がないときは、ドラマのように順番を入れ替えて撮影します。ある程度のいれかえはあるにしても、島についてすぐに脱出のシーンを撮り始めることもあります》

しばらくは島の南側へ波に流されるように進んだあばれる君のイカダだったが… ©文藝春秋 撮影:細田忠

ロケ5日間ほぼ寝れない、スタッフの労働環境による過労死の危険性

 メッセージにはロケで実際におこなわれている多くの“過剰演出”の手法が具体的に示されていた。一部出演者には無人島内で飲料水や食料も提供され、無人島ではなくホテルに宿泊することもあるという。さらに、長年おこなわれた“やらせ”は既にスタッフ間で当たり前の感覚になっているとも記されていた。

《誰もそのことについて疑問を感じていません。また、長時間にわたる過酷な撮影、やらせ演出の噂で、スタッフが中々増員されないこともあり、労働環境も杜撰なものになっています。ロケ5日間ほぼ寝れない、ということもあります。(中略)誰も疑問を抱かなくなってしまっているこの状況、さらにスタッフの勤務環境による過労死などの危険性、テレビ番組制作の在り方に、大きなわだかまりを感じ、ここに報告させていただきます》

 取材班はこのメッセージの送り主に接触を試みようとしたが、叶わなかった。

関連記事