――そういえば「ダレデモダンス」Tシャツのデザインって、RUN DMCのロゴのオマージュですよね。
SAM そうそう(笑)。RUN DMCは上下の横棒に英語を挟むだけでデザインになる、なんでも受け止めてくれるロゴですよね。2代目のTシャツはDef Jamオマージュです。
――それをおじいちゃんおばあちゃんが着て踊っているところにグッときました。
SAM 最近は、認知症に特化した「リバイバルダンス」というプログラムも作りました。小林旭や美空ひばりといった懐かしの名曲に乗せて踊れる、エビデンスに基づいた脳神経活性化プログラムになっています。
――「老化」も、SAMさんの大きな活動テーマなんですね。
SAM 誰にでも訪れるものだから。「アンチエイジング」といって加齢に抗うのではなく、「老い」を受け止めて楽しく健康的に過ごせる工夫を伝えたいですね。
自分にとってのテーマと言えばもう一つ。能とストリートダンスのコラボレーションをやりたいですね。丸山家は医者の家系ですが、遠戚に能楽師がいたこともNHKの「ファミリーヒストリー」に出演した時にわかって。そのことを知る前、50代になって能にすごく興味が湧いたのも「これは偶然じゃないな」と。
自分が踊るのが一番好きなんです(笑)
――SAMさんはありとあらゆるジャンルのダンスに挑戦して、15歳から休みなく踊り続けているわけですよね。正直、「今日はもうダンスいいわ」って日はないですか。
SAM それが45年間、1日もないんですよ。たぶん本当にダンスが好きなんだと思います(笑)。
――「ダレデモダンス」やコンサートのプロデュースなど、いろんなかたちでダンスと関わりがあるわけですけど、何をしている時が一番楽しいですか。
SAM 自分が踊るのが一番好きなんです(笑)。
――どんなシチュエーションで踊るのが最も好きですか?
SAM ライブのソロもいいですけど、スタジオで練習してる時が一番楽しいですね。自己満足でしかないんですけど。たぶんこういう調子で70になっても踊ってるんじゃないかな。
あ、あとやってみたいことで言うと、本当にそろそろ髪を切りたいんで、ステージで断髪式をやってみたいですね。そのうちSNSで「SAMにやってほしい髪型」を募ってみようかなと思います(笑)。
写真=榎本麻美/文藝春秋
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