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「君はグッチではない」とよそ者扱いされた挙句、夫から言い渡された離婚…グッチ一族の御曹司と結婚した“妻の復讐”

『ハウス・オブ・グッチ』リドリー・スコット監督

2022/01/14
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「彼女はブラッドリー・クーパーの映画(デビュー作『アリー/スター誕生』)で良い仕事をやってみせた。ブラッドリーが優れた監督だというのもあるが、彼女に持って生まれた才能があるのも否定できない。彼女を選んだ理由は複数ある。ひとつは身長。マウリツィオとアダム・ドライバーは、どちらも190センチ前後。パトリツィアとガガは155センチ前後だ。アダムは今日活動する最も優れた俳優のひとりで、彼にはぜひ出てもらいたかった。そう思っていたら、ガガが最初の映画で、女優としてどこまでできるのかを証明して見せたんだ。これは自然な選択だと思ったよ。彼女が受けてくれるかどうかわからなかったが、やってくれると聞いてからは一度も後悔していない」

© 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

次作はナポレオンの伝記映画

 撮影は、パンデミックのプロトコルを守りながら行われた。全員が週に何度もPCR検査を受ける、ソーシャルディスタンスを守る、現場の人数を制限するなど、過去にはなかった決まりがたくさんあったが、まるで苦にならなかったとスコットは言う。

「私は優れたビジネスマンでもあるのでね。上から命令をするだけだ。ワクチンを打っていなければ仕事はもらえない。マスクをしていなかったら帰宅させられる。2回帰宅させられたらクビ。それ以外のやり方はない」

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 そのやり方で、スコットはすでにもう次の映画の撮影に入っている。ホアキン・フェニックスが主演するナポレオンの伝記映画だ。

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「ウィルスは変異を続けている。この後もっと強く変異するのか、弱く変異するのかはわからない。恐ろしいことだが、強くなるかもしれない。ついにコントロールできたと思ってからも、さらに1年はマスクが必要だろうね」

 ナポレオンの映画が北米公開される1週間後、スコットは85歳の誕生日を迎える。その頃も、スコットは、マスクをしながら、どこかで新たな映画を撮影しているのだろうか。

Ridley Scott/1937年、イギリス・ダーラム州生まれ。デビュー作『デュエリスト/決闘者』(77年)でカンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞。大ヒット作『エイリアン』(79年)や『ブレードランナー』(82年)で知られる。『グラディエーター』(2000年)でアカデミー賞作品賞を含む5部門を受賞。

INFORMATION

『ハウス・オブ・グッチ』
2022年1月14日(金)より全国公開
配給: 東宝東和

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