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「世界的には社内恋愛NGの傾向が強いんです」 マンガ家・八海つむが「ひともんちゃくなら喜んで」で“暴君社長”と“献身的な人事コンサル”を主人公にしたワケ

「世界的には社内恋愛NGの傾向が強いんです」 マンガ家・八海つむが「ひともんちゃくなら喜んで」で“暴君社長”と“献身的な人事コンサル”を主人公にしたワケ

八海つむさんインタビュー #2

2022/01/19
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「天使」と評判のキラキラ人事コンサルタント・人見(ひとみ)まもると、ブラック企業のワンマン社長・佐京紫織の二人がタッグを組み、組織を「ホワイトニング」していくオフィス改革ラブコメディ『ひともんちゃくなら喜んで!』。

 1月19日の第2巻発売を記念して、キャラクター設定の経緯から、気になる社内恋愛の是非についてまで、作者の八海(やつみ)つむさんと、人事コンサルタントとして第一線で活躍されている株式会社ソリューションの城麻実さんにお聞きしました。(全2回の2回目。1回目を読む)

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舞台がブラックでもコメディ要素を入れ込んで読み心地は面白く

――「天使」のコンサルがブラック企業をホワイトニングするという設定は、どのように思いつかれたのですか?

八海つむさん(以下、八海) キャラクターを対比した方がわかりやすいので、まずは「ホワイト」な天使コンサルと、「ブラック」企業の社長という白黒キャラクターを決め、そこからストーリーを広げていきました。

©iStock.com

――二人の性格も正反対ですね。

八海 すぐに「クビ!」と宣告する暴君社長の佐京さんと、真面目で献身的なひとみちゃんという正反対の性格にしたのは、まったく違うキャラクター同士がちぐはぐなやりとりをするほうが楽しくなりそうだからです。舞台はブラックですが、コメディ要素を入れ込んで読み心地は面白くしたいです。

――単行本のカバー裏や、電子版での本編以外の特別ストーリーなどの“しかけ”も、サービス精神からきているのですね。

八海 『ひともんちゃくなら喜んで!』では、人事コンサルタントをテーマに職場の人間関係を再構築するストーリーを描いていますが、専門的すぎる話を描きたいわけでも、社会に対して異議申し立てをしたいわけでもありません。ただいろいろな登場人物が出てきて、キャラクターたちのかけあいを見て少しでも元気になったり、笑ったりしてもらえたらいいなという気持ちで描いています。