「企業は人なり」と言われるように、企業の盛衰を決めるのが人材です。人事部門は、自社の発展に貢献する優秀な人材を採用しようと、日夜懸命に取り組んでいます。
ただ、採用担当者が就活生の能力や特徴を正しく評価するというのは、なかなか難しいこと。また、正しく評価して採用したとしても、入社後に社員が劣化してしまうという場合もあります。どうしても、人事部門が「こんな社員を採用しなければ良かった……」と後悔するケースが出てきます。
今回、人事部門の責任者・担当者23名に「採用して後悔した新入社員」について、アンケートとヒアリングで調査しました。
「採用して後悔した社員はいない」という回答はゼロ
まず、「新卒で採用した社員について『採用しなければ良かった』と後悔するケースがありますか」と質問しました。以下の回答でした。
よくある:16名
たまにある:7名
ない:0名
サンプル数が限られますが、長く採用業務を担当していると、後悔する経験が「たいていある」と考えて良いでしょう。
次に、「後悔する社員の特徴」を訊ねました。そこから知れた「4つのパターン」と印象的なコメントを紹介します。
向上心がまるでない「若手窓際族」にはご用心
特徴1:向上心がない
「よほど勉強熱心だった学生でも、会社に入ったら最初の3か月で、大学の4年間で学んだ以上のことを学びます。会社の中で成功するかどうかは、向上心を持って学習・成長するかどうかにかかっています。いまの若い世代は、平均的には向上心があり、研修への参加意欲も高いですが、それでも一定数、向上心がまるでない“若手窓際族”がいます」(輸送機)
「早稲田・慶応といったブランド校の出身者には、18歳もしくは22歳が人生のピークで、入社後は劣化する一方、というケースがよくあります。あと海外の大学の出身者は、英語に加えて一つでも武器を身に付けて欲しいのですが、ずっと“英語屋”のままという人が目立ちます」(金融)
特徴2:さっさと退職してしまう
「何度も面接して採用し、手塩に掛けて教育訓練をしたのに、1~2年でさっさと辞めてしまう社員が結構います。会社に対し何か強い不満があるなら、『相性が悪かったんだな』と納得しますが、『会社には別に不満はないが、もっと大きなステージに挑戦したい』とかいう生意気なセリフを聞くと、『だったら最初からそっちに行けば良かったのに』と愚痴りたくなります」(建設)