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キャラクターが勝手に生み出してくれる「奥義」

――高ぶったキャラクターがアクションヒーローのようにひとみちゃんを攻撃する「奥義」も本作の楽しみのひとつですが、あの必殺技はどの段階で考えておられるのですか?

ボンバイエ高円寺の「奥義」

八海 あれはキャラクターが動いていくなかで、「こういう人はこんな時こういうことをするだろうな」というのが見えてきて、自然に生まれるというか…。キャラクターが勝手に生み出してくれる、というイメージです。

――ネガティブパワーの「奥義」を進化させた「ネオ奥義」という技も登場します。

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八海 あまり言うとネタバレになってしまうので控えますが、「ネオ奥義」は、そのキャラクターがもともと持っているものをプラスに見える角度から描いています。

――前作の、無人島に漂着した上司と新人社員が「孤島事業部」で奮闘する『孤島部長』は無人島という設定上、登場人物が限定されていました。しかし、『ひともんちゃくなら喜んで!』は登場人物を無限に広げることも可能です。そのあたりの楽しさや難しさは、いかがですか。

八海 登場人物が多くなればなるほど、選択肢が多すぎて逆に迷う部分も増えてくるので、そのあたりのバランスは難しいところですが、悩むことも楽しかったりするので、どっちもどっちでしょうか。

世界的にはNGの傾向が強いが…社内恋愛の難しさ

――難しいといえば、2巻では「社内恋愛の倫理」(12話)というテーマも描かれています。社内恋愛の難しさについてはどのようにお考えですか。日本では比較的社内恋愛に寛容だと描かれています。

城麻実さん(以下、城) 弊社では、仕事の範囲内で社内恋愛を禁止することはありませんが、推奨もしてはいないという対応です。世界的にはどうなんでしょう。

八海 私が調べた限りでは、世界的には社内恋愛NGの傾向が強いみたいです。社内恋愛がNGとされているのは、当事者だけではなく周囲に影響を及ぼして社内秩序を乱すからというのが大きな理由のようでした。