きれいに咲いてるやつが「ピー、ピー、ピー」って言うとる
ナオヒロック すっごいいっぱい持ってる子、おったよな。
岡宗 「サイン・プリーズ」ってな。それを俺、率先してやってて。あるとき自転車で一人、選手村から帰ってたら、「ピー、ピー、ピー」って音がする。最初、トラックがバックする音だと思ったんだけど、見回してもトラックなんていないわけ。
その選手村に続く道にはハイビスカスが植えられていたんだけど、秋口になって枯れてきている中で1本だけきれいに咲いてるやつが「ピー、ピー、ピー」って言うとるわけよ。まさかと思うやん。「えー?」と思って近づくと、俺のほうをクルッと向いて「ピー、ピー、ピー」と言いよるねん。これは事件や、おい! と。帰って親に話したら「早く寝なさい」と言われて。まあ、親も答えを持ってるわけじゃないからね。こういうことって解決しようがないやん。で、次の日学校で2人に言うたよな?
ナオヒロック そんな話をされてもなあ。もう1個、おぼろげな話があるんやけど、ニホンカモシカの話をしてもらってもいいですか。
岡宗 家にニホンカモシカが迎えに来た話な。家の2階の窓から自分の家の玄関が見えるわけ。で、何気なく窓から覗いたら、バッチリ角のあるニホンカモシカが玄関にスーンと立ってるわけ。俺、『もののけ姫』見たときにさ、「こういうことか」と思った。あの映画もさ、鹿が聖霊の象徴として出てくるじゃないですか。
車に乗ってたら、軽自動車くらいの大きさのイノシシが出た
JxJx この話、街中だったらエキセントリックすぎるんですけど、造成地なのでイノシシなんかはいるわけですよ。
岡宗 そうやで。小学校のとき、女の子がイノシシに殺されたよな? 神戸はイノシシのメッカなんだよね。だって俺、嫁さんを初めて連れて神戸に帰ったとき、100万ドルの夜景を見せてあげよう思うて六甲山に行ったわけ。そのとき車に乗ってたら、軽自動車くらいの大きさのイノシシが出たで。
ナオヒロック 軽自動車(笑)。
岡宗 いや、ホンマやで。それで嫁さんが窓を開けて「バイバイさせて!」って言うたんですよ。イノシシって車を見たら突っ込んでくるのよ。だから俺は「危険や!」と思って「窓、閉めなさい!」って言って。
JxJx まあ、そういう環境ではあって。だから、ニホンカモシカが来そうなバックグラウンドはあるわけですよ。
ナオヒロック で、カモシカはどうしたんだっけ?
岡宗 スクッと立ってて……、なんらかのメッセージがあったんやないかなー。