数々の「キテレツな体験談」で評判のテレビディレクター岡宗秀吾さんが、「鉄板エピソード」を選り抜いてまとめた全部実話の青春特盛りエッセイ『煩悩ウォーク』。岡宗さんにとって初めての著書となるこの本の出版記念イベントが11月25日の夜、LOFT9 Shibuyaで開催されました。発売開始1分でチケットが完売し、大盛り上がりだったイベントの模様をレポートします。それでは第1部、スタートです!

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森山直太朗の友達の岡宗秀吾と申します

『煩悩ウォーク』(岡宗秀吾 著)

 本日司会を務めます、放送作家の堀雅人です。今日いらしたみなさんは、第2部ゲストの森山直太朗さんのファンの方なんですよね?

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(会場爆笑)

 著者が自分の出版記念なのに完全なアウェイであるという疑念を払拭できないでいます(笑)。みなさん、岡宗秀吾は直太朗さんのマブダチです。好意的に話を聞いてあげてください。

岡宗 森山直太朗の友達の岡宗秀吾と申します(笑)。

(会場拍手)

 完全アウェイではないようですね。

岡宗 でも今日は、全員トリコにするつもりで来てるから!

 今回は出版記念のイベントですけど、何でまた本を出すことに?

岡宗 僕、普段はテレビディレクターというか、映像を作っているんですが、大根仁監督と「テレビマンズ」というユニットを組んで、トークショーも10年くらいやらせていただいていて。いろんなところでくだらない話をしていたら、去年(2016年)の年末に文藝春秋の編集者さんから突然お電話いただいて、「エッセイ書きませんか?」と。

 突拍子もないお願いですね。

岡宗秀吾さん

岡宗 俺そもそも長文書いたことなかったんですよ。でも、こんな機会ないと思って。

 確かに、この出版不況のご時世に。

岡宗 それで、安請け合いしたんですね。書けるんじゃないかなーと思ったけど超しんどいのよ、本を書くって。「てにをは」を揃えるだけでも超しんどい。

 そんな人が書いた本なの(笑)?

岡宗 それで書くのに8カ月かかった。もちろん、テレビの仕事をしながらだからよ。夜中に仕事から帰って書いて、また仕事行って書いて……ってことを繰り返してたら、ノイローゼ気味になってきて。

 大変だったんだね(笑)。

いい文が書けたとき「全部俺のおかげやんな」

岡宗 でもさ、テレビの仕事って分業でしょ。演者さんがいて、カメラマンがいて、スタイリストがいて……って、100人くらい人が関わるじゃないですか。でも書く作業は俺1人なのよ。紙、ペン、俺、以上って状況なのよ(笑)。でも書いてるとね、途中でググッと上がる瞬間があるのよ。「この一文、でた!!」みたいな。

 アハハ。

岡宗 普段テレビの仕事してるときって、「視聴率がよかった」と言われても「本当に俺のおかげか?」って感じがあるでしょ? 演者さんがよかったんじゃないかとか、放送作家さんの台本がよかったんじゃないかとか思って、喜びが分散するんだよね。今回1人で文章を書いてみて、いい文が書けたとき「全部俺のおかげやんな」って思って、ビンビンになるときがあるのよ。そうやって8カ月もかけて書いた本なのに、3時間くらいで読めるのよ(笑)。

 アハハハ! そりゃそうだよ。読むのに8カ月かかる本、嫌だよ(笑)。でもそのくらいの思いで書いたんですね。