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1973年生まれの同級生が語りあう「俺たちのスタンド・バイ・ミー」――岡宗秀吾×JxJx×ナオヒロック#1

1973年生まれの同級生が語りあう「俺たちのスタンド・バイ・ミー」――岡宗秀吾×JxJx×ナオヒロック#1

『煩悩ウォーク』刊行記念、大盛り上がりのイベントレポート

note

引っ越すシュウゴのラストメッセージはこれか!

JxJx それで、「死体探しに行こうや」って話が、最終的には「近所にテントを張って泊まろう」って話に集約されていくんですよ。今やれることの落とし所として、シュウゴの家の隣にあった公園で野営しようと(笑)。

ナオヒロック 要は、小学校の真ん前やな。なんて安全な。お母さんも近いよ。

岡宗 「お母さ~ん!」って呼んだら聞こえるよ。

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JxJx 公園でおもむろに小学生がテントを張ったんだけど、夕方になったらパトロールにきた巡査にダメだと言われて。それで僕たちの出した答えが「公園の隣のシュウゴの家の庭にもう一回テントを張る」だった。

ナオヒロック もっと近づいた。

岡宗 もう家の敷地内や。

JxJx それで庭にテントを張って朝まで過ごすという、すごくかわいい終わり方をしたんですけど。

岡宗 そのとき、ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」のレコードを一晩で60回くらいかけたよな。ドン、シュッ、ドン♪っていうあのイントロ、何度も聞いたな(笑)。

JxJx で、朝方、テントが寒すぎて、限界がきて、みんなで普通にシュウゴの家に入って。

岡宗 恥ずかしいなあ(笑)。

©iStock.com

JxJx そのあともずっと仲良くて、中学に上がってからも一緒にリーバイスの501を買いにいったりとか、レコード買いにいったりしていて遊んでたんですけど、中2になってシュウゴが「俺、引っ越すわ」と。シュウゴって、僕からしたらすごいロマンチックな人なんですよね。で、それで明日引っ越すというタイミングで、僕の住んでた団地に改めて挨拶しに来てくれて「隣の団地の壁を見て」と言うんです。シュウゴが旅立って数日後、隣の団地の棟の壁に超でかい幅で「Sex Pistols」と書いてあるのを発見して。

一同 アハハハハ!

JxJx その横にパンクと全然関係ないニコちゃんマークが描いてあって。「シュウゴのラストメッセージはこれか!」と。で、シュウゴは3つくらい先の駅に引っ越していったんですけどね。

 すぐ会えるじゃん(笑)。

岡宗 俺、何でもオーバーに取るタイプやから。ロマンチストやから。

ナオヒロック この前まで「スタンド・バイ・ミー」やったのが、「Sex Pistols」って、何が起きたんですか?

JxJx その落書き、俺が東京に出るくらいまで残ってましたから。88年から92年くらいまで残ってた(笑)。

岡宗 4年もあったん?

煩悩ウォーク

岡宗 秀吾(著)

文藝春秋
2017年11月30日 発売

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1973年生まれの同級生が語りあう「俺たちのスタンド・バイ・ミー」――岡宗秀吾×JxJx×ナオヒロック#1

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