これ読めや、おもろいぞって、「復讐クラブ」を
JxJx で、シュウゴは違うクラスだったんだけど、異彩放ってる子がいるな、と思ってて。当時から髪型がツーブロックだったもんね。
岡宗 全盛期の吉田栄作的な。
ナオヒロック 何からのインスパイアでツーブロックやったん?
岡宗 俺、お兄ちゃんもおらへんしなあ。
JxJx それが不思議!
ナオヒロック 妹が2人でしょ。普通そういうのはお兄ちゃんとかお姉ちゃんの影響なのよね。俺たちが『週刊少年ジャンプ』に夢中だったときに、シュウゴは『マカロニほうれん荘』を読んでて「トシちゃん、かんげき」とか言ってたからね。「トシちゃんて、誰やねん?」って(笑)。どこで仕入れてたん?
岡宗 俺はね、本にも書かせていただきましたけど、早く大人になりたかったのよ。『マカロニほうれん荘』って、扉絵だけ見てもパンクカルチャーとか描いていたりとか……。
ナオヒロック KISSを描いていたりね。
岡宗 洒落てたんですよね。『キャプテン翼』より大人が読むって感じがするじゃない? 大人っぽいほうに常に寄っていってたんだろうね。
JxJx で、シュウゴの家は学校の目の前でね。必然的にシュウゴの家に遊びに行って、部屋に入ると、諸星大二郎の漫画が転がってて、「サイトウ、これ読めや、おもろいぞ」って、「復讐クラブ」って漫画を渡されて(笑)。
ナオヒロック のちに聞いたら、通ってる床屋の本棚に特殊な本がたくさんあったと。そこの床屋が異常やったんやないか?
母に見つかって「エロ本焼きなさい」
岡宗 あと俺、エロ本も好きで、エロ本をベッドの下に拾っちゃあ入れ、拾っちゃあ入れってしてて。10歳くらいから仏頂面で堂々と本屋さんにエロ本買いに行っていて。そうやって溜めたエロ本をお母さんに見つかって、すっごい怒られて、「家の前にあるドラム缶で焼きなさい」と言われて。俺も恥ずかしいわけですよ、びっくりするぐらい性的に伸び盛りな俺をお母さんにバレたってことがさ。1ページ1ページちぎってドラム缶に入れて焼いてたら、家の向かいにある学校から先生の軍団が出てきて「岡宗くーん! 焼きいも焼いてるの?」って、牧歌的な景色だと思って近寄ってきたんですよ。で、先生たちがドラム缶の中を覗き込んだら、中に何百体もの女体がメラメラメラ……って燃えてるわけ。それで俺、「親父のだ」みたいな顔をずっとしてたの。
JxJx 当時のエロ本って、エロじゃない情報も結構挿し込まれていたんですよ。シュウゴは、エロ本の表層的な部分だけじゃなくて全部読むタイプで。エロ本にちょっとだけ出ている「アメリカで今こんなカルチャーが流行ってる」みたいなページが、僕も結構好きだったんで。
堀 エロ本に載っている塵みたいなカルチャーの情報をずーっと積んでいくと、岡宗くんになるんだ(笑)。