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NHKも例外ではなかった

 しかし同じような言いっ放しは新聞だけでなくNHKもやっていた。

 1月16日に放送された「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡 コロナ禍の首相交代劇」である。菅氏から岸田文雄氏への首相交代があった昨年、

《その舞台裏で何があったのか? そして前回の自民党総裁選挙で大敗した岸田は、なぜ総裁の座を手にすることができたのか? キーパーソンによる証言からコロナ禍の政権移行の内幕に迫り、日本政治の行方を展望する。》(HPより)

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NHK公式サイトより

 しかし番組を見てみたら、自民党の権力ゲームを大仰な音楽や演出によって重厚そうに伝えるだけの番組だった。岸田首相、菅氏、安倍晋三氏、麻生太郎氏、二階俊博氏、河野太郎氏などなどがそれぞれ言いたいことを言っていた。

 菅氏は「悔しいというよりひどすぎると思います。そういう流れをつくろうとした人がいたんじゃないですかね」。先述した8月31日の毎日新聞報道は菅潰しが目的のリークではなかったかと語る。

自民党が負けると「日本が終わる」?

 甘利明氏は支持率が低い菅氏が総裁選を先送りして解散総選挙をやったら「日本は終わっちゃう」と思ったと言っていた。NHKはご丁寧にもテロップをつけていたのだ。

「これ(解散)行われたら もう自民党は終わるし 日本は終わっちゃうなと」

 自民党が選挙に負けたらなぜ日本は終わるのか、画面では記者は何も尋ねていない。公共放送が与党政治家に好きなことを言わせっ放しなのである。それともNHKも「自民党が負けたら日本が終わる」と思っていたのだろうか。