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神戸山口組は「敵を間違えた」?

 記者会見での批判や行動について、6代目山口組系幹部は冷ややかな視線を向ける。

「そもそも神戸(山口組)は、ヤクザの社会で最も重視されなければならない盃をないがしろにして出て行った。その内部でまたもや同じようなことが繰り返されただけ。盃について軽く考えている」

 そのうえで織田襲撃事件については、「道具(拳銃)を向ける方向がまったく間違っている」とも批判した。「(神戸山口組にとっての)敵はこちら側のはず。身内の、それも(神戸山口組組長の)井上(邦雄)と織田の親子ゲンカのようになってしまっている」

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神戸山口組の井上邦雄組長(左から2人目) ©️時事通信社

 このころ織田のボディーガード射殺事件だけでなく、神戸山口組と任侠山口組の双方の組員の間で乱闘騒ぎなど偶発的な暴行事件も頻発していたため、任侠山口組は2018年3月、指定暴力団となった。

 「三つ巴」の一角・任侠山口組はわずか90名に

 発足時にどれほどの勢力を引き連れて離脱したのか当初は不明で、警察当局による視線は厳しかった。神戸山口組のなかでも特に山健組の半数を引き連れての離脱との情報もあり、数百人が行動をともにするとみられた。2017年末の神戸山口組の構成員は約2500人だったため、織田らは5分の1弱の配下を率いて離脱したのだった。

 しかし、その後は組織が縮小傾向となる。2019年末には約300人、2020年末には約230人。さらに減少して2021年末は約90人となった。現状は、結成当初の4分の1以下の人数まで減少している。

 本部長として会見で発言していた池田もすでに引退した。

 山口組「三つ巴」の一角は、長引く分裂騒動の中でどこに向かうのだろうか?(文中敬称略)