若手お笑い芸人やアーティスト志望の若者が、男女ともに同じ家でルームシェア生活をする話をよく耳にするようになった。
同じ夢を持つ者が、男女別け隔てなくひとつ屋根の下に暮らし、お互いに切磋琢磨していくというのは、まるで青春群像劇のように思える。しかし、冷静に考えると、オトコとオンナが一緒の空間にいるということで様々なトラブルが発生しそうな気もする。
そんな男女混合型シェアハウスの実態はどのようなものなのか。
恋に落ちたり、別れたりすることは自然な成り行き
都内でシェアハウスを運営している中山詩織さん(仮名)に、話を聞いた。
「シェアハウスは不動産デベロッパーやベンチャー企業などが新たなビジネスとして開拓している場合と、ウチみたいな、営利目的というよりも、既存の生き方が当てはまらない人たちに居場所を提供したいという目的で運営しているパターンに大きく分かれると思います。
企業系のシェアハウスは、セキュリティ面などを踏まえて男女別になっていることが多いですね。逆にウチのような民営のシェアハウスはそこにこだわりがないというか、そもそも入居者を知り合いのツテで集めたりしているので、自然と男女混合になってしまうという部分もあります。
別々に入居したのに話してみたら共通の知り合いがたくさんいた、というような狭いコミュニティの中で回している感じです」(中山さん)
男女混合で生活するとなると、まず起きてしまいそうなのが恋愛関係のトラブルだ。見知らぬ男女がひとつ屋根の下で出会えば、恋に落ちたり、別れたりすることは自然な成り行きともいえる。
「1度誘って断られたらもう誘わない」ルール
「ウチの場合は、基本的に恋愛禁止というルールはありません。とはいえ、特に奨励もしてないですけどね。
いま運営しているシェアハウスでは、住人たちの自治的なルールとして『1度誘って断られたらもう誘わない』ということを決めてました。入居者の誰かを好きになったとしても、いわゆる脈ナシな状態だったら深追いせずに潔く諦めるということですね。
もちろん、同意のない身体接触もNGです。一般社会におけるセクハラに該当するようなことはしない、というのが基本です」(中山さん)
シェアハウスの雰囲気というのは千差万別で、住民同士の交流がほとんど無いというところもあれば、毎晩のようにみんなで集まって団らんするというアットホームな所もある。ハウスごとに恋愛に関するマナーもそれぞれ違いそうだが……。
実際にいま男女混合シェアハウスに住んでいる小田賢さん(仮名)に聞いた。