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被害少年の叔父は「甥の怪我は暴行によるもの」

「いきなり殴られた恐怖で逃げた。殺されると思った」

 沖縄県中頭郡の病院に入院する少年は、29日に面会した母親に対し当時の状況をこう説明したという。

 少年の叔父が「姉(少年の母親)が甥(少年)から聞き取った話」と前置きした上で、29日に文春オンラインの取材に応じた。叔父は「甥の怪我は単独事故ではなく、暴行によるものだ」との認識を示した。あくまで少年側の主張ということにはなるが、叔父は以下のように説明する。

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取材に応じる少年の叔父 ©文藝春秋 撮影:上田康太郎

「27日の未明に甥はコンビニの駐車場で友人らとたむろしていた。すると目の前の大通りで、自転車とバイクに乗った少年が警察官に追いかけられる様子を目撃したといいます。この捕り物に巻き込まれて警察に補導されることを恐れて、友人らとはバラバラになりその場を離れた。

 甥は『自分のスクーターに乗って細道に入ったところ、走行中に警察官にいきなり棒で殴られた』と母親に説明したそうです。ただ、殴られた恐怖や焦りから記憶が曖昧な部分があり、細道をどれぐらいのスピードで走っていたか、警官がどこから現れたかなど詳細は聞けていないそうです。

 甥は活発でヤンチャな一面もあったが、昔から母親思いなところがあり、母親とはなんでも素直に話すような関係性です。母親への説明で嘘をつくとは思えません」

 叔父の証言によれば、少年はその後、スクーターに乗ったまま逃走。スマートフォンのアプリで友人と連絡を取り、助けを求めた。消防にも自ら通報し、その際に「警察に殴られた」と言ったのでは信用してもらえないと思い「自分で事故を起こした」と説明したという。搬送時、少年は後に失明したとわかる右目の出血こそ激しかったが、その他の目立った怪我や衣服の破れはなかったという。

©文藝春秋 撮影:上田康太郎

「事故後にバイクとヘルメットは警察が回収」?

「警察が発表したように自損事故で右目を失明するような大きな怪我を負ったのだとしたら、他に傷があってもいい。駆け付けた友人の証言では、少年のバイクは車体止めを使い起こした状態で停車していたそうです。バイクの損傷状況を確認したかったのですが、バイクとヘルメットはなぜか事故直後に警察が回収してしまったようで、戻ってきていません。

 甥が未成年の立場で友人と深夜徘徊していたことは咎められても仕方ない。急遽その場を離れたことで警察官が追いかけた気持ちも分からなくもないが、それにしてもいきなり殴る必要があったのか…」

 28日には沖縄署から少年の母親のもとに「直接会って話し合いの場を設けたい」との趣旨の連絡があったという。

「具体的な説明はなく、警察の意図は分からない。応じるかどうかは甥の回復を待ち、弁護士と相談した上で決めるつもりでいます」