昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

genre : ニュース, 社会

 渡辺容疑者は自宅に2丁の散弾銃を所持していたが、それぞれ2000年と2008年に所持が認められ、2020年11月には更新手続きを行っていたことが判明している。

 銃の保管については、鉄砲店や射撃場に月2000~3000円払って預ける「委託保管」もあるが、保管スペースの不足などから、様々な義務を課したうえで「自宅保管」とするのが原則なのだという。鉄砲店店主が実情を明かす。

一般的な鉄砲店の様子。渡辺容疑者はなぜ銃を所持できたのか ©文藝春秋 撮影/宮崎慎之輔

「自宅保管といっても、猟銃は思い立ってすぐに撃てるものではありません。渡辺容疑者は催涙スプレーも使用したとも聞いていますし、かなり計画的に準備したのだと思います。

 そもそも持ち運ぶ時はバラした状態で運ばなければならないので、バラしたまま保管する人が多いと思います。自宅保管では『ガンロッカー』というケースに保管し、弾薬も別に保管しなければならないルールもあります。

 ようは衝動的に使用したり、盗まれてもすぐに使えないようにしたりするため、銃に弾を込めたまま保管するな、という話です。ただ、今回の事件のように、持ち主本人が殺人の道具に使ってしまったら元も子もありませんが……」

 銃はもちろん、誰でも持てるモノではない。

渡辺容疑者が“突破”した「厳しい銃所持審査」

 所持には《人的欠格事項》が定められており、住居が定まらない人や、破産をしている人、精神障害を抱えている人、アルコールや薬物の中毒者などは所持ができない決まりがある。本人だけではなく、同居人も含めうつ病や自殺歴を警察に調べられ、3年ごとに許可を更新する度に精神科医の診断書を提出させるなど、取り扱いは厳重に管理されている。

当てはまると銃の所持ができない《人的欠格事項》 ©文藝春秋

「スポーツクラブ『ルネサンス佐世保』で2007年、散弾銃でインストラクターら2人が殺害される事件があってから、家族など本人以外にも警察の管理が及ぶことになるなど、銃の所持は厳格化の流れにあります。しかし、銃が原因でトラブルになった細かい話は絶えませんよ。

 銃に対する世間の目も、昔より厳しくなっています。クマや害獣の駆除依頼で、住宅街で発砲せざるをえないケースがありますが、その際に『弾丸が建物に届く恐れがあった』とイチャモンをつけられ、銃の許可を取り消されたという話も聞いたことがあります」(同前)

 しかしながら、渡辺容疑者はこの制度を“突破”して銃を所持し、犯罪に使ったということだ。

z