中国国内でのPCR検査の信頼性はいかに…?
ただ、中国によるPCR検査についてはその信頼性を疑問視する声もある。
1月22日、ある競技のドイツ代表チームの監督がクローズド・ループ内での受けたPCR検査で陽性結果が出た。これは、クローズド・ループ内の検査で選手団の一員に陽性反応が出たケースとなり、監督は無症状ながら隔離されることとなった。
この直後、ドイツのスノーボード競技連盟トップのミヒャエル・ヘルツ氏はこう疑念を呈している。
「主要選手が大会に出場できないように(PCR検査の)結果が改ざんされる可能性がある」
ドイツのスポーツ界ではもともと中国のPCR検査に対する不信感が高かったようで、これ以前にもアルペンスキー協会の幹部、ウォルフガング・マイヤー氏が「北京のCOVID-19検査システムはほぼ『恣意的』にコントロールされていると感じる」と発言していた。
そうした不信感を高めてしまうような事例も起きている。
空港到着時は「陽性」も、その後は2度とも「陰性」
カーリング混合ダブルスのオーストラリア代表選手の女性が、1月31日に空港到着時のPCR検査で陽性反応が出たため隔離された。ところがその後2度の検査で陰性となり、2月1日までに隔離措置を解除されているのだ。また、2月2日には、アイスホッケー男子のデンマーク代表選手6人が、やはり空港到着時に陽性となり、2月3日現在も隔離中だ。しかし同行していたデンマーク代表でNHLに所属していたフランス・ニールセンは「4人については偽陽性だと思われる」と、PCR結果を疑問視する発言をしている。
一方の中国当局は、国際的な不信感の払しょくに躍起だ。1月30日にはチャイナデイリーなどの中国共産党宣伝部直属の複数の英字メディアは、「中国は絶対にPCR検査結果を改ざんしない」とする記事を一斉に配信。北京2022組織委員会のパンデミック防止・管理局の黄春副局長の「私は、すべてのアスリートと関係者に安心してもらいたい。私たちのシステムの信頼性を疑う必要はない」とする発言を伝えている。