6代目山口組組長の司は80歳となり、傘寿を迎える高齢者であることは間違いない。高山は若頭とはいえ今年75歳になる。組長の座を譲ることも全く否定できないため、警察当局も事実関係の確認を進めたという。
その結果、「ガセだと判断」との結論に至った。
80歳だろうが「引退することはない」
長らく巨大組織の分裂に伴う抗争状態が継続しているという経緯を踏まえ、警察当局の幹部は今回の“怪情報”の背景についてこう分析する。
「6代目(組長の司)が引退して、7代目の座を高山に譲るということは現段階ではありえないだろう。ここ数年の情勢では6代目(山口組)側の方が優勢とはいえ、神戸(山口組)との抗争は決着した訳では全くない。ここで6代目が引退して下りたとなれば、神戸側の存在を認めたことになりかねない。それは考えられない」
組織犯罪対策を長く担ってきた別の警察当局の幹部も同様の見解を示す。
「大正時代に創立した山口組は100年の歴史がある。これまでも分裂や内部での対立などがあったが、6代目は自分が組長であるときに神戸側が勝手に出て行き、組織分裂となってしまった。分裂という事態は許しがたいし、到底、神戸側を認める訳には行かない。引退してしまえば歴史の汚点になってしまう。80歳だろうが高齢だろうが、引退することはないだろう」
結局、司が組長の座を譲ることはなかった
一方で、6代目山口組の分裂の動向を注視している指定暴力団幹部は、警察当局とは別の視点から指摘する。
「6代目側への移籍が続き神戸側の勢力は数年前から大きく減っている。『6代目が引退する』などといった不確かな情報を流すことによって、得をする人物がいるということだ。普通に考えれば神戸側の可能性が高いだろうが、6代目側の内部からという可能性もゼロではないのではないか」
そうして迎えた1月25日。警察当局の幹部や暴力団関係者たちの見立て通り、誕生日を迎えたことで司が組長の座を譲ることはなく、7代目へと代替わりすることもなかった。