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「6代目山口組組長・司忍は引退。7代目には若頭の高山」 SNSで“山口組怪文書”が流布した「ある理由」 警察当局の情報収集の結果は…?

「6代目山口組組長・司忍は引退。7代目には若頭の高山」 SNSで“山口組怪文書”が流布した「ある理由」 警察当局の情報収集の結果は…?

2022/02/20

genre : ニュース, 社会

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一般市民が巻き添えになることが最大の懸念

 ただ、警察当局が問題視するのは、司が体面を保って引退できるように6代目が神戸側への攻勢をさらに強め、さらなる対立抗争事件が発生する事態が引き起こされる可能性があるということだ。

 司の誕生日を目前にした2022年1月17日には、水戸市にある6代目山口組系傘下組織の事務所に男が訪れ、応対した幹部に向けて拳銃を発砲。撃たれた幹部はその後、死亡が確認された。

 警察当局の幹部は発生後、「事件の詳細は不明だ。移籍をめぐるトラブルがあったとの情報はある。ただ断定はできない」との見解を示していた。この事件は事務所内で発生していたが、懸念するのは人々の往来がある繁華街などでの発砲事件が発生し、一般市民が巻き添えになることだ。

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 2019年11月に神戸山口組幹部の古川恵一が射殺された事件は、多くの買い物客らが行きかう尼崎市の商店街で発生した。6代目山口組系の元組員は殺傷能力の高い自動小銃で数十発の銃弾を発射していた。

神戸山口組幹部の古川を撃ったとされる自動小銃 警察資料より

抗争に市民が巻き込まれる危険性もかなり高かった

 さらに、容疑者は自動小銃を所持したまま京都市に車で逃走していた。

 京都に向かったのは逃走ではなく、神戸山口組系の別の組織の襲撃が目的だった。京都市内で緊急配備の京都府警のパトカーに停止させられた際にも、車を降りて警察官に銃を向けて抵抗する姿勢を見せている。

 その後は警察によって取り押さえられたが、当時組織犯罪対策を担当していた警察当局の幹部は「身柄を押さえる際も非常に危険な状態だった」と振り返る。

「現場周辺の道路は車が渋滞していたほか、歩道上には多くの一般市民の通行人がいた。この時は容疑者があきらめて投降したが、警察官に向けて発砲した銃弾が流れ弾となって市民に命中するといった危険性はかなり高かった」

 水戸市内の殺人事件も動機や背景はまだ明らかになっていない。だが、警察当局の幹部は、「いずれにしても6代目山口組の分裂に端を発した事件であることは間違いない」としている。(文中敬称略)

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