文春オンライン

「火消しと木遣りを演出に」「国民はアスリートだけ見ていろ」小池百合子、森喜朗の“政治利用”がもたらした東京五輪開会式の闇

プチ鹿島『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした! プチ鹿島政治コラム集』から傑作選 #1

2022/03/09

source : 週刊文春出版部

genre : ニュース, 社会, 政治, メディア

note

竹中平蔵もKADOKAWA夏野も

 さらに時を同じくして、五輪開幕直後の竹中平蔵氏のツイッターの投稿が話題となった。

《故堺屋太一さんは、祭りのような「非日常」があって初めて、社会は面白くなり発展すると述べられた。五輪は最高の「非日常」だ。だから色んなことも起こりうる。それを政治的に、姑息に目くじら立てて批判するのは寛容・平和の五輪精神に反する。心からこの五輪を応援しよう、それが心ある国民の声だ。》(7月24日)

 長いツイートなので中抜きさせていただく。

ADVERTISEMENT

 要約すればこれも、

「五輪が始まったのだからゴチャゴチャ言うな。非国民になるぞ」

 と読める。※勝手に中抜きしてごめんなさい。

 五輪が始まったのだからゴチャゴチャ言うな論法は強者にとっての開会宣言なのだろう。ちなみに発売中止となった開会式の公式プログラムの広告には、

『パソナで働いて応援!』

 という全面広告があった。※電子版で見たら本当にこのコピーでした。決して中抜きしていません。

『東京2020オリンピック公式ガイドブック』(KADOKAWA)より

 思い出した。竹中平蔵先生って丸川珠代五輪相言うところの「ステークホルダー」(利害当事者)だった。忘れてました。それにしても「働いて応援!」って凄い。ただの労働ですそれ。

 そのオリンピック開会式の公式プログラムは「KADOKAWA」が出していた。するとどうでしょう、KADOKAWAの代表取締役社長で東京五輪・パラリンピック組織委員会参与の夏野剛氏がネット番組にご登場。「子供の運動会や発表会は無観客で行われてるのに五輪が有観客で行われれば不公平感が出る」という論調に対し、

《「そんなクソなピアノの発表会なんかどうでもいいでしょう。五輪に比べれば」と言い放った。》(スポニチアネックス7月23日)

 庶民の生活や思い出なんてクソというKADOKAWAのエライ人。これも、始まったらゴチャゴチャ言うな系である。

関連記事