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「火消しと木遣りを演出に」「国民はアスリートだけ見ていろ」小池百合子、森喜朗の“政治利用”がもたらした東京五輪開会式の闇

プチ鹿島『お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした! プチ鹿島政治コラム集』から傑作選 #1

2022/03/09

source : 週刊文春出版部

genre : ニュース, 社会, 政治, メディア

前日には森喜朗がサプライズを台無しに

 そうそう、森喜朗と言えば地元の「北國新聞」で開会式前日に大声でやらかしていた。

『開会式に松井氏登場 長嶋、王氏と共演か 森組織委前会長が明かす』(7月22日)

 記事によれば、松井氏は派手なことを嫌う謙虚な性格なので一度は辞退したという。しかし師と仰ぐ長嶋氏が野球の発展を願って開会式への出席を決めたので松井氏も翻意した可能性がある、と。

 長嶋・王・松井の共演はあるのかと北國新聞が問うと、

《森氏は「それは当日に期待してほしい。私自身は登場しないが、思いが入った開会式になる」と明言を避けたが、にやりとした表情にはサプライズの予感が漂っていた。》(同)

 もう、全部喋ってるじゃん!

 おとなしくしてるべき森喜朗なのに「もう五輪が始まるのだからいいだろ」と言っているように見える。

長嶋茂雄 ©文藝春秋

 このスクープも驚かせた。

『組織委、森氏復帰を検討』(朝日新聞7月23日)

 森喜朗氏の「名誉最高顧問」就任を検討しているという。翌日に読売も報じた。森氏は女性蔑視発言で辞任した経緯があるため政府は難色を示しているというが、注目すべきは五輪開幕が近づくにつれて組織委員会の中に公然とこういう声が出ていることだ。これも「もう五輪が始まるのだからいいだろ」という態度にみえる。「国民はアスリートだけ見ていろ」という。

 これは菅首相の「競技が始まり、国民がテレビで観戦すれば、考えも変わる」と表裏一体でもある(7月20日のウォール・ストリート・ジャーナルのインタビュー)。

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