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「お金にルーズ、仕事をちゃんとしない、女遊びをする、嘘をつく…」11年間をともに過ごした秘書が気づいた、瀬戸内寂聴が好む“イイ男”の意外な条件

『#寂聴さん 秘書がつぶやく2人のヒミツ』より #1

2022/03/11
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誰に対してもフランクな先生

 先生は仕事でたくさんの人と対談をしてきた。私もその場にいつも同席させてもらっていた。

友人のように身を寄せ合う二人 『#寂聴さん』より

 その中には先生にとって「初めまして」の人も、もちろんいる。でも先生は誰に対しても、普段からそうだが、フランクで話しやすい雰囲気を作る。相手がまったく違う職業の人であっても、分け隔てなく会話を盛り上げる。

 だいたい対談前に資料として本や映像などをもらうのだが、先生は忙しくてちゃんと見ていないこともあった。

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 ある日、ジャニーズの方が、雑誌の対談のため寂庵を訪れた。王子様のようなルックス、昔から変わらないその美貌やスタイル。私より年はだいぶ上だけれど、やっぱり実物もカッコいい!

 その方はやはり緊張されていて、口数も少なく、先生が質問を一方的にしていたように思う。そりゃ先生の前だと緊張するし、しゃべれなくなるのもわかる。しかも、そもそもおしゃべりなタイプでなくクールな感じだから。

 先生は、その方が帰った後、あまり話ができなかったからか、不満そうだった。もう少し込み入った話を聞きたかったのだろう。奥さん以外に女はいるのかとか、そういうゴシップ的な話も含めて。でもそんなことを対談でしゃべってしまったらイメージが壊れるし、大変なことになるだろう。

 対談したその数日後、先生はその方が出版された自伝を読んだ。色々と苦労されてきたことがわかり、先生は「あんなに苦労しているとは思わなかった。幼少期から大変だったそうよ。もっと話を聞いてあげればよかった」と後悔していた。先生、対談前に読んでおこうよ……。

 見た目がどんなに美しくとも、話が面白くなかったり、先生にとって何か魅力を感じられなければ、なかなか先生のお眼鏡にはかなわない。