1ページ目から読む
4/4ページ目

先生の周りの「普通」ではない人たち

 感性が面白い作家の方もたくさんいた。作家はやはりどこか飛びぬけている気がする。考え方も自由で、どこか変わっている。「普通」ではない人たちが多かった。

 先生の周りには個性的で変わっている人が多く、常識から外れているような自由な考え方や教養の深さに毎回、圧倒された。私の祖母のような年齢の作家の方でも、若々しく美しく、また自由で年齢を感じさせなかった。

 学生時代の私は、自分の親が恋愛するとか、そういうことはありえないと決めつけていたけれど、先生のもとにきてたくさんの人に会い、みんな、現役で恋愛をし、仕事をしているその若さを見て、年齢にとらわれていた自分がいかにつまらない人間だったか実感した。

ADVERTISEMENT

 縛られた世界にいない先生とその周りの人たちはいつも魅力的だった。批判を浴びることがあったとしても、「何が悪い?」と言い返すようなエネルギーも備えていると思う。

 魅力的で素敵な大人たちにたくさん会えたことは、とても貴重な経験だった。先生と一緒にいなければ、絶対会えないような人たちばかりだったから。

#寂聴さん 秘書がつぶやく2人のヒミツ

瀬戸内寂聴秘書 瀬尾まなほ

東京新聞

2022年2月2日 発売