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 このような情報機関が、今般の豪州による対中政策の大転換に不可欠の役割を果たした。某首相経験者は、対内防諜担当機関からのブリーフを受けて認識を大いに改めた旨、しみじみと私に吐露したことがある。

 ひるがえって日本はどうか? 日暮れて道遠しの一言である〉

山上氏 ©共同通信社

日本がとるべきだった“道筋”

 そして、山上氏は〈このように猛烈な攻勢と威圧に直面した豪州が辿ってきた軌跡は、実は日本こそがとるべき道筋だったのではないだろうか〉とした上で、〈そもそも、日本こそが北東アジアでの地政学的課題と脅威の最前線にいる。その日本が、情報収集能力や防衛力の抜本的増強を通じて抑止力を高め、地域の平和と安定を維持するために自ら率先して行動すべきなのは、言を俟たない〉と断じる。

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 3月10日発売の「文藝春秋」ならびに「文藝春秋 電子版」では、山上氏の論文に加えて、藤原正彦氏の論考、ユヴァル・ノア・ハラリ氏へのインタビュー、尖閣諸島ルポなどを集めた中国特集を掲載している。

文藝春秋

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「戦狼」対策は豪州に学べ