1ページ目から読む
2/2ページ目

「人生の予告だったのだろうか」

〈あれは何ものかの私へのこれからの人生の予告だったのだろうか、あんな男の役をこの私が演じさせられたのだ。あれはなんとも寝覚の悪い出来事だった〉

 強烈な「我」を抱える作家と「死」の格闘は続く。

©文藝春秋

〈「死」の予感とその肌触りは人間の信念や予感までを狂わせかねない。死に対する当人がこしらえた様様な免罪符や安息も許さない。それは死に関するいかなる自己撞着も赦さない〉

ADVERTISEMENT

 最後に思い浮かんできたのは、意外なことに美空ひばり往年のヒット曲の歌詞――「いつかは沈む太陽だから」。そして「死」との格闘は決着にむかうのだった。

逗子の自宅の書斎(撮影 鈴木理策)

「文藝春秋」4月号ならびに「文藝春秋 電子版」では、石原慎太郎氏の絶筆「死への道程」にくわえて、最期を看取った四男・延啓氏のインタビュー「父は最期まで『我』を貫いた」を掲載している。

文藝春秋

この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます
絶筆「死への道程」