「あの大泉洋が弟」――そんな家族背景に触れ、人気者を渇望する政界が放っておくわけがない。いま、函館市幹部・大泉潤氏の存在が、地元政界をにぎわせている。来年の市長選への出馬説が飛び交う中、懸念材料もある。「賽は投げられた」という見方は早計だ。

声は弟とそっくり、後輩職員からの人望もあり

 大泉氏は1966年、江別市生まれ。札幌北高校から早稲田大学法学部に進学した。弁護士を目指し司法試験に挑戦。卒業後、函館市役所に入った。

 ちなみに現職市長・工藤寿樹氏とは、大学の先輩・後輩という間柄だ。大泉氏は工藤市長の秘書課長を務め、保健福祉部次長から、2017年4月には観光部長に昇格。2019年4月から、保健福祉部長を務めている。この間、新型コロナウイルス対策に奔走。メディアの記者会見に登場する機会も多い。

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大泉洋 ©財界さっぽろ

 市幹部は「大泉さんの声は弟とそっくり。後輩職員からの人望もあり、人柄は抜群だ。地元経済人にも顔が広い」と大泉氏を評する。

 その一方で、こんな辛口評価も。

「どうしても大泉洋さんの兄という色眼鏡でみてしまうが、大泉潤さんは役人を絵に描いたようなタイプ。市長になっても、函館を大胆に変えるような斬新なアイデアが生まれるとは考えにくい」(市の特別職経験者)